Monthly Archives: 8月 2017
建物を鑑定するとき、私たちは建物を3つの部位に分けて、状態を観察・分析します。
3つの部位とは、「躯体・仕上・設備」です。
建物の寿命が尽きるまでに、
(1)定期的な交換・補修を要しない部分 ・・・躯体
(2)定期的な交換・補修が必要となる部分 ・・・仕上、設備 です。
躯体の劣化が著しくなったとき=物理的に建物の寿命が尽きたとき、となります。
住宅、事務所といった用途の違いにかかわらず、既存建物について、価値を正しく認め、バリューアップして活用しよう、との声があがっています。
住宅のトレンド:テーマ① 中古
事務所ビルのトレンド:テーマ① 中古
社会的要請を受け、私たち鑑定士もより建物の現状の細やかな把握に努め、評価に反映しています。
次回より「躯体」「仕上」「設備」のチェックポイントをお伝えいたします!
建物の評価はお任せください↓
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不動産鑑定士・伊藤由美子です。
個人(会社代表)所有の区分所有建物10室を会社所有へと移す、という案件の時価評価依頼を頂きました。
10室は東京の城南エリアにあり、単身タイプとファミリータイプが半分ずつです。
物件は最寄駅から徒歩5分と立地はいいのですが、築35年ほど経過しています。
総合して、評価対象の区分建物を含む一棟の複合不動産について、賃貸物件としての競争力は普通程度と判断しました。
評価した手順は以下のとおりです:
① 原価法により土地・建物一体の複合不動産としての積算価格を求める。
② 収益還元法による複合不動産としての収益価格を求める。評価対象は賃貸マンション住戸であるから、基本的に、この収益価格=市場価格である。
③ 収益価格(市場価格)に、複合不動産の積算価格の中で建物価格が占める比率を求めたものを配分率として乗じて、建物価格を求める。
④ 評価対象のマンションは自己使用物件としての売却も可能なので、原価法による積算価格について再検討し、建物価格を求める。
⑤ ③と④の価格を調整して、建物価格(鑑定評価額)を決定する。
後日、「鑑定評価を行ったことで、税務会計上よい形での処理ができた」と、ご依頼者の顧問税理士の方よりお言葉をいただきました。
【こちらのブログもご参考に…】
建物のみの鑑定評価:関係会社間・同族会社間での建物売買
建物のみの鑑定評価:相続対策として、個人所有の賃貸用建物を法人所有とする
建物のみの鑑定評価の手法:原価法
建物のみの鑑定評価の手法:収益還元法
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伊藤由美子です。
相続対策としての資産移管に際して、建物時価評価(「土地利用権を持たない建物のみ」の部分鑑定評価)のご依頼がありました。
高齢のお母さまから息子さまへ建物のみを売却なさいます。
土地のみ(更地)であれば競争力は普通程度といえるのですが、対象建物を含む複合不動産の場合には、建物の経年、保全状態、そもそもの規模や、仕様・設備面などから総合的にみると、倉庫物件としての競争力はやや劣り、テナント付けが難航する物件でした。
しかし、需要が全くないわけではなく、建物に相応の修繕を施せば今後も賃貸用倉庫として使用することは可能です。
上記の分析に基づき、評価を以下のように進めました:
① 原価法により土地・建物一体の複合不動産としての積算価格を求める。
② 収益還元法による複合不動産としての収益価格を求める。評価対象の倉庫は賃貸物件であることから、この収益価格=市場価格である。
③ 収益価格(市場価格)に、複合不動産の積算価格の中で建物価格が占める比率を求めたものを配分率として乗じて、建物価格を求める。
④ 収益価格(市場価格)の中で、土地部分が占める価格を直接判断し、収益価格から土地価格を引いて、建物価格を求める。
⑤ ③と④の価格を調整して、建物価格(鑑定評価額)を決定する。
このようにして求められた鑑定時価により、お母さまから息子さまへと倉庫は売却され、売却後は倉庫の賃料が息子さまの元へと毎月入ります。
お母さまの相続税対象資産が膨らんでいくことを抑えられるようになりました。
【こちらのブログもご参考に…】
建物のみの鑑定評価:関係会社間・同族会社間での建物売買
建物のみの鑑定評価:相続対策として、個人所有の賃貸用建物を法人所有とする
建物のみの鑑定評価の手法:原価法
建物のみの鑑定評価の手法:収益還元法
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伊藤です。
前回までのブログでは、「建物のみの”鑑定評価”」ということで、「不動産鑑定評価書」の発行を前提に、いろいろなお話をしました。
もちろん、調査・価格査定の過程を簡略化して料金を鑑定評価書より低く抑えることができる、「不動産調査報告書」として評価をお受けすることも可能です。
しかし、「建物のみ」の時価を把握なさりたいとのご依頼は、税務当局への説明を目的とされるケースがほとんどで、この場合には、立証に万全を期すため、省略なくフルバージョンの評価を行う「不動産鑑定評価書」をおすすめしております。
作成できる書面の種類・料金は、こちらでご確認いただけます。
まずは、建物の簿価と鑑定時価に差がないか知りたい…という方は、どうぞ私どもの初回無料相談をご利用ください。
お電話、メール、面談にてお話を伺い、価格の概算をいたします。
次回のブログでは、弊社にご依頼があった「建物のみの鑑定評価」の実例をご紹介します。
オーナーの皆さまの眼となって、建物の今とこれからの判断をいたします↓
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不動産鑑定士・伊藤由美子です。
収益を期待することができない、つまり賃貸が想定困難な建物でないかぎり、建物のみの鑑定評価でも、複合不動産(土地と建物)について収益還元法を適用します。
収益還元法とは、対象建物とその敷地からなる複合不動産が将来生み出すであろう収益を合計しこれを複合不動産の価格とする手法です。
これにより求められた複合不動産の価格(収益価格)について、土地部分の価格を控除、あるいは建物部分の割合に応じた配分率を乗じることで、建物の価格を求めることができます。
なお実務では、原価法によって求められた建物価格が土地・建物一体の複合不動産としての原価法による価格に占める比率を求め、これを配分率として採用することが多いです。
「収益」は不動産の価値の源泉。ご所有不動産の収益性を見極めます↓
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FRA・伊藤です。
建物のみの鑑定評価では、まず原価法を適用します。
既成市街地にある土地と建物からなる複合不動産について、土地(敷地)は類似する周辺の土地の取引事例との比較などにより価格を求めます。
建物は、躯体・仕上・設備など特性によって構成部分を分別し、竣工後に行われた増改築や修繕を踏まえそれぞれの部分に今ある価値を見極めて、価格を査定します。
この土地と建物の価格を合算した上で、複合不動産としての市場性について検討します。そして必要に応じて増価や減価を行います。
建物は土地と結合して初めてその効用を発揮するものですから、必ず土地価格を求め、複合不動産としての市場性を考慮しなければなりません。
単純に建物単独の価格を求めただけで、これを原価法による建物の価格(積算価格)、さらには建物の鑑定評価額、と判断してはいけないのです。
「原価」の把握は、ご所有者様から情報を頂くことから始まります↓
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伊藤由美子です。
前回のブログまで、建物のみの鑑定評価を行うケース・メリットについてお話をしてきました。
今日から3回のブログでは、建物のみの鑑定評価手法をご紹介します。
建物のみの鑑定評価とは、敷地と一体化している状態を前提に、建物のみを評価すること(部分鑑定評価)です。
土地建物全体の鑑定評価額の内訳として、建物の鑑定評価額を求めます。
評価手法は複数あり、対象不動産の種類によって使う手法の組み合わせを選びますが、中心となる評価手法の着眼点は、土地・建物それぞれの「原価」そして土地・建物が生み出す「収益」です。
鑑定評価では、「原価」に着目する手法を必ず適用します。
「収益」に着目する手法も、収益性を期待できない(賃貸が考え難い)種類の不動産でない限り、適用します。
また、「比較」に着目する手法もあり、比較可能な類似不動産の事例が入手できる場合はこれも取り入れます。
このようにして求められた複数の価格について、説得性などを踏まえて調整をし、評価額を決定する、というのが鑑定評価の流れです。
適切な手法を選択し、わかりやすい鑑定評価書をお出しします↓
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FRAコンサルティング・伊藤です。
関係会社間や同族会社間での不動産取引は、第三者との取引よりも恣意的になりやすいことから、時価(=不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれる場合に通常成立すると認められる価格)にて行わなければならないとされています。
建物のみの売買を行う場合、帳簿価格(帳簿の未償却残高、いわゆる簿価)にて取引されることが多いです。
しかし、土地建物一体の複合不動産の構成部分としての建物を鑑定評価(部分鑑定評価)してみると、建物は簿価を下回る価値しかないとわかることがあります。
例えば、バブル期に地方都市に建てられた豪華仕様の商業ビルで、現在はほとんどのテナントが撤退してしまっているようなケースです。
経営再建のためにこの建物を関係会社に移す判断となったならば、現実を反映しない簿価ではなく、鑑定による時価に基づく売買とすることで、取得法人での建物帳簿価格を適正なものとすることができます。また、売却法人には売却損が計上されます。
税務当局の理解を得るために、客観的第三者の立場から論理的に時価を説明する不動産鑑定評価書をご活用下さい。
建物の時価をわかりやすくご説明いたします↓
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