Monthly Archives: 2月 2018

FRAの降矢です。

本日より「土地面積」から「道路」へと話題を移します。

 

原則として、建築基準法上の道路に接していない土地には建物を建てることができません。
利便性や環境に優れた土地でも、建物が建てられなくては宝の持ち腐れです。
建築不可の土地の価値は非常に低い評価とならざるをえなくなります。

 

それゆえ土地が接する道路、特にその性質の把握に、常に注意を払っています。

 
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つい先日も、建物の再建築ができるかどうかを見極める道路調査を行いました。

 
評価対象の土地が接面する幅員約3.8~4.0mの舗装された道は、現地では特段問題のない道路と見受けられました。

 
ところが役所で確認したところ、この道は建築基準法上の道路と認められていない私道との由。

 

 

建築基準法の第43条1項に、

「建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない」

 

と定められていますが、この規定の”ただし~”の認定を受けて、現在の建物が建てられた経緯があったのです。

 

 

こういった場合に土地が接している道は「43条但書道路」とよばれます。

 
一度許可が下りて建物が建ったからといって、43条但書道路が建築基準法上の道路と見なされるわけではないため、建築(再築)可否について所管の建築審査課に確認に行きました。

 
得られた回答は、

『まず道路調査を行う必要があり、その結果として建築基準法上の道路と判定されれば建築可能となるが、そうでない場合は再認定(平成11年より許可制度となる)の手続きに移り、但書許可が得られれば建築は可能、当該許可が下りない場合は再築できないことになる。当地域の現状から判断して再築可能となる蓋然性は高いが、いずれにしても道路調査を行わなければ何とも言えない』

というものでした。

 

この状況を踏まえた評価額を求める必要があります。

 
本件は、法43条但書道路であっても建築(再築)できる蓋然性は高いと推知されます。
ただ、現段階では建築基準法上の道路とは言えないことから、需要者の敬遠を招き、市場性の減退は否めません。

そこで、建築基準法上の道路に接している場合との比較で10%程度の市場性減価を施すのが適当と判断し、鑑定評価額を決定しました。

 

 

 
新築・再築が可能かどうかの調査をいたします↓

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降矢等です。

ご所有地が前回ブログでご紹介した「縄伸び」「縄縮み」の状態にある場合は、土地家屋調査士に依頼し、土地地積更正登記をすることで、是正されます。

 

3ec5daa52dddef17fe7288b98105f77ac_s手順は以下のとおりです。

 

まず、所有地に隣接する土地所有者や道路管理者の立会いのもとで境界を確定して境界標を設置、土地の測量を行います。

 
そして、境界確認書面と地積測量図を添えて法務局に申請することで、土地登記簿の地積が改められ、実測面積=登記面積 となります。

 

このときの登記原因は「錯誤」(間違い、認識と客観的事実との不一致)です。

 

 
なお、地積更正登記について申請義務の定めはありません。

 

「縄伸び」「縄縮み」と思われる土地の正確な面積が知りたい、しかし更正登記は考えていない、という場合には、土地家屋調査士ではなく測量士に測量依頼をするとの対応を取ることもできます。

 

 
地積更正登記をするか否かや、「縄伸び」「縄縮み」の鑑定評価への反映は、ケースバイケースの判断となりますので、お悩みやご心配のある方は一度お話をお聞かせ下さい。

 

 

 

「縄伸び」「縄縮み」の物件を多く扱ってまいりました↓

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前回に続き、代表の降矢です。

 

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地籍調査について回を重ねたブログからもご理解いただけるかと思いますが、土地の「境界」は不動産に関しての基本中の基本といえる確認事項です。

 

「境界」と同じように重要な基本の確認事項には、「土地面積」や「道路」があります。

 

 

「境界」についてのトラブルは皆さまもイメージをお持ちでしょう。

鑑定の現場では、「土地面積」や「道路」にもエピソードが色々です。

いくつかお話していきたいと思います。

 
まず「土地面積」について。

「縄伸び」「縄縮み」と呼ばれるケースが確認されることがあります。

●縄伸び…  実測(とされる)面積 > 登記面積
●縄縮み…  実測(とされる)面積 < 登記面積  となっている状態を言います。

 
評価数量としては、現況測量図などの資料に基づく実測面積を採用する場合が多いです。

 

ただ、測量図も作成年代等によっては当時の技術的限界から精度に劣る場合があり、また実測面積と登記面積の差が僅少であったり、ご依頼者からのご希望があった場合などには、登記面積採用の判断をすることもあります。

 

たとえば、以下です。

「登記面積は188.40㎡であるが、入手した分割求積図の地積は205.53㎡となっている。作成日等の記載がないことから本件では求積図面積は参考にとどめ登記面積を採用する。ただし、縄伸びが生じている可能性は否定できない」

 

 
何千件にも及ぶこれまでの土地評価経験より得た感覚では、宅地や田畑・原野には、縄伸びや縄縮みがあった場合でもその幅は0.9~1.2倍といったところでしょうか、伸び縮みの程度はそれほど大きくなりません。

 
しかしこれが山林になると、大幅な縄伸びが珍しくありません。2倍以上とみられる縄伸びも何度かありました。

 

 
次回は「縄伸び」「縄縮み」を是正する方法をお伝えします。

 

 

 

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代表鑑定士の降矢等です。今年に入って初めてのブログ記事執筆になります。
例年通り、年頭は地価公示ほか公的評価に全力投球しておりました。

 
さて、先日まで伊藤が世田谷区の事例を盛り込みつつ地籍調査についてお伝えをしてまいりましたが、弊社のある墨田区での地籍調査は、世田谷区とは違う運営がなされています。

 
実は「地籍調査」は、「街区調査」と「一筆地調査」から成り立っています。

 

「街区調査」とは民有地と官有地の境界の調査、すなわち私たちの所有地と道路等との官民の境界を明らかにしていくものです。

 
「一筆地調査」は、土地について一筆ごとに所有者・面積・地目・地番・境界を調査し、民有地間を含む筆界を確定していく作業です。

 

 
世田谷では「街区調査」と「一筆地調査」が一連の流れとして行われていますが、墨田ではまず区内全域について「街区調査」を先行させ、その完了後に「一筆地調査」に入ります。

 
現在この街区調査の達成率は、墨田区の担当部局によると6~7割との由です。

 

 
1PISA0018いまから数年前、弊社のある錦糸一丁目8番街区でも「街区調査」がありました。

 

調査担当の方の明治時代にまで遡ったという調査によれば、弊社のあるビルが建つ土地と前面道路との正確な境界は、現状境界と見える場所より、5cm~15cmほど私ども民間の側に後退した地点にある、とのこと。

 

ビルの建替え等の段階で、官民境界を区と協議することになりそうです。

 

墨田区その他の自治体でこのような2段階の運営が行われているのは、都市部で滞っている地籍調査の進捗(参考:地籍調査とは その③ ~都市部での地籍調査 )を、取り組みやすい官と民の境界を先に固めていくことで、スピードアップするためです。

 

国土交通省 地籍調査Webサイト ~都市部官民境界基本調査 に「街区調査」の先行実施についての詳しい説明があります。こちらもご覧下さい。

 

 

 

物件の境界確認には常に細心の注意であたります↓

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伊藤です。

前回ブログに書きましたとおり、先月、テレビ朝日の『THE更地』~空き家を解体のプロたちがテクニックを駆使して更地にする空き家解体バラエティ~を見ました。

 

そのとき、「空き家問題」のほかに頭に浮かんだ言葉があります ― 「取壊し最有効」です。

 
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「取壊し最有効」とは、不動産鑑定用語で、古い建物とその敷地(=不動産)について”この不動産の最も合理的な利活用は、建物を解体して更地化すること”と判断した時の表現です。

 

 
『THE更地』に登場した、

・横浜市の築40年の空き家
・富山市の築50年の空き家

のどちらも、迷うことなく「取壊し最有効」と判断されます。

 

 
不動産の評価に際して「取壊し最有効」となることは決して珍しくありません。

 

ある不動産について「取壊し最有効」との判断に基づく鑑定評価書を提出、その後に評価地を訪れたときには、建物が取り壊されて更地の状態になっていた、あるいは新しい建物が建っていた、という経験は多いのですが… 「取壊し」の作業の流れ全体を通しで見る機会はこれまでなかったです。

 

そんな私にとって、解体工事の全容がドラマチックに映し出された『THE更地』はとても興味深い番組でした。
次に木造住宅の案件で「取壊し最有効」となったときには、見る目が変わりそうです!

 

 
『THE更地』の続編が制作されて、今度はビルの解体が取り上げられたら嬉しいです☆

 

 

 

 

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伊藤由美子です。

地籍調査ブログを長々と綴ったために、話題とするにはタイミングを逸してしまった感がありますが…^_^;

1ヶ月ほど前(1月12日)の深夜(23:15~)、テレビ朝日で『THE更地』という番組が放送されたのをご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?

 

タイトルと放送時間から、当初はドキュメンタリー番組だろうと思いました。
実際は、バラエティ番組でした!

 
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コンテンツは ”空き家が解体され更地になる”のみ。

・「住宅街のド真ん中!住宅密集地域の空き家」

(神奈川県横浜市・築40年)

 
・「30年間放置!老朽化の進んだ空き家」

(富山県富山市・築50年)

 

この2つが更地になりました。

 

 
職人技と重機の迫力で彩りつつも、”キレイサッパリなくなってスッキリ”の気持ちよさに焦点を絞ってバラエティ番組を作るなんて斬新!と思いました。

 
この番組を見て”スッキリ”を疑似体験したことで、放置していた相続空き家の解体を決断される所有者が続出!?

…となる可能性は高くはないと思いますが、建物解体を迷っていらっしゃる方の背中を押す効果は期待できるかもしれません。

 

 
『THE更地』の企画成立の背景には、空き家が社会問題であると多くの方が認識するようになったことがあるのでしょう。

私たちも空き家問題を重くとらえ、数年来、何とか良い方向へ…と願って下記のような情報発信をしてきました。

解体会社の方たちは「解体」する立場、私たち不動産鑑定士は「評価」する立場でそれぞれ力を発揮し、空き家を減らしていけたら…と思います。

 
空き家は、景観・衛生・治安を悪化させ、倒壊の危険も

身動きが取れない、空き家所有者

空き家の心配解決、市町村の条例確認から始めましょう

中古住宅として空き家を売却 ~空き家解決・建物を残したまま

古家付き土地として空き家を売却 ~空き家解決・建物を残したまま

リフォームをして戸建住宅として空き家を貸す ~空き家解決・建物を残したまま

DIY型賃貸借で空き家を貸す ~空き家解決・建物を残したまま

保育施設として空き家を貸す ~空き家解決・建物を残したまま

介護施設として空き家を貸す ~空き家解決・建物を残したまま

建物敷地として土地を貸す ~空き家解決・建物を壊し更地に

駐車場用地とする ~空き家解決・建物を壊し更地に

アパート経営を行う ~空き家解決・新しい建物を建てる

高齢者施設を建て一括貸しする ~空き家解決・新しい建物を建てる

空き家問題、解決方法のまとめ

 

 

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不動産鑑定士・伊藤由美子です。

これまで2ヶ月超の間、地籍調査についてのブログにお付き合い下さいましてありがとうございました。

 

昨年来、所有者不明土地の問題がメディアで頻繁に報じられ、不動産登記全般がより注目されるようになっていると感じています。

 

日本の不動産登記制度はこれからターニングポイントを迎えるのかもしれません。

 

0f87e7a7115f2c7e6a190feefddc82b1_s国土管理というのは壮大すぎるテーマに思えて、どう進めば問題の解決につながるのか途方に暮れるような気持ちになりますが… 今私たちがすぐできることに、相続登記を怠らないこと、そして地籍調査に協力すること、があると思います。

 

皆さまが地籍調査と向き合うことになられた折、この体験ブログが少しでもお役に立てば幸いです。

 

 

日々難しい調整に取り組んでいらっしゃる全国の自治体地籍調査ご担当者の皆さまに感謝申し上げて…

今回のブログシリーズを終わらせていただきます。

 

 

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前回まで8回のブログで、地籍調査の開始~終了の実際についてお話しました。
地籍調査のイメージをつかんでいただけましたでしょうか?

 

16IMG_7142今日は地籍調査の成果が反映される書類・図面について確認をします。

 

地籍調査後の土地に関する重要書類・図面は、

①登記簿
②地籍図(不動産登記法第14条地図)
③一筆座標面積計算書          の3種です。

 

 

①と②は、法務局にて取得できます。
③は、地籍調査事業終了の通知とともに所有者に送付されている図面で、区役所での取得が可能です。

 

①には、地籍調査で確定した土地数量が記載されています。
②は、これまでの公図(地図に準ずる図面)から改められました。

 

 
地籍調査が無事に終わって、所有地について精度の高い情報が公的な資料に反映されて、ありがたいです。

 

仮に地籍調査の結果、筆界未定となってこれを解除しなければならなくなっていたら…どうなることでしょう。

 

土地家屋調査士さんに聞いてみたところ、

当事者で(土地家屋調査士に依頼して)境界確認を行い、法務局へ地図訂正を申し出る。もし規定の誤差を超える変更となる場合には地積更生登記をしなければならない。

当事者での境界確認がもめる場合は、筆界特定制度や弁護士に依頼しての確定訴訟が次のステップとなる。

…さまざまな手間と費用が発生してしまいます。

 

 
ちなみに、しばらく心穏やかで過ごせなくなるかもしれないとしても、
「早くうちの土地も地籍調査の対象にならないかな」と、この調査士さんは常々思っているそうです。

 

 
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