Monthly Archives: 4月 2018

無道路地の鑑定評価事例のご紹介・その2です。

無道路地の価格はどのように鑑定するか』をご参照の上、お読みください。

 
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【案件概要】

依頼者:無道路地の所有者

依頼目的:売買の参考

正常化:隣地の一部買収による

 
評価対象土地である無道路地と都道の間に他人地(隣地)があります。

 
隣地は現在、コインパーキングとなっています。この利用現況をふまえ、隣地の一部(図の濃黄色部分)買収の申し出に応じてもらえる可能性ありと判断しました。

ただし、隣地所有者とは鑑定評価時点で買収交渉には入っていない状態です。

 
【評価手法】

当地域の標準的な画地の土地単価を査定し、

 
・買収後旗竿状土地(無道路地+隣地一部)

について、標準的画地の単価に基づく金額に不整形(L字型)のマイナス補正を行い、価格を算定しました。

 
・買収する隣地一部

は、買収に応じてもらうため、標準的画地の単価に基づき(間口狭小・奥行長大とのマイナス補正なく)価格を算定しました。

 
旗竿状一体地価格-隣地一部価格

として得られた価格に、隣地買収の不確実性ほか市場性減価を加味して、本件の無道路地価格を決定しました。

 

 

不整形地の価格についてわかりやすくご説明をいたします↓

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無道路地の鑑定評価事例のご紹介・その1です。

無道路地の価格はどのように鑑定するか』をご参照の上、お読みください。

 
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【案件概要】

依頼者:無道路地の関係者

依頼目的:資産価値の把握

正常化:隣地の全部買収による

 

 
評価対象土地である無道路地と区道の間に若干の他人地(帯状の隣地)がありました。

 
隣地は規模の小さい未利用地で単独では使用価値が乏しく、全部買収の申し出に応じてもらえる可能性ありと判断しました。
ただし、隣地所有者とは鑑定評価の時点でまだ連絡が取れていない状態です。

 

 
【評価手法】

当地域の標準的な画地の土地単価を査定し、

・買収後一体地(無道路地+隣地)
・隣地

いずれも標準的画地の単価と同じ土地単価に基づき、価格を算定しました。

(理由…買収後一体地:標準的な条件の土地となる 隣地:標準的な画地より条件が悪い土地だが買収に応じてもらうため)

 
そして、

一体地価格-隣地価格

として得られた価格について、隣地買収の不確実性ほか市場性減価を加味して、本件の無道路地価格を決定しました。

 

 

さまざまな無道路地鑑定評価を承ってまいりました↓

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代表の降矢です。

建築基準法上の道路に接しておらず、現状のままでは建物が建てられない無道路地。

この無道路地の鑑定評価について、ポイントを押さえながら評価の大枠を以下ご説明します。

 
無道路地は、”依頼者聴取”が特に重要な類型で、鑑定評価において”通路に関する判断”をするのが、この類型に特有の手順です。

 
4596473b8cd8f09532c71f2860a1e100_s~Step1.依頼者聴取~

①鑑定評価の依頼目的

民間取引や公売に関する評価、また税額の更正請求に際してご依頼いただくケースがあります。
売買の相手方が決まっている場合は、隣地所有者か否かを把握することが大切です。

 

②無道路地となった経緯

③隣地の状況と隣地所有者との関係

 

 
~Step2.通路に関する判断(正常化判断)~

公道に通じる隣地の土地に、無道路地から公道へアクセスする通路を開設することを検討します。

通路開設を前提とすることが妥当と判断した場合、土地を買う、借りる、あるいは民法210条(公道に至るための他の土地の通行権※)による、等の通路開設を可能にする選択肢の中から、依頼者聴取・現地調査・役所調査から得た情報を基に、実現可能性のある方法を選び、合理的な内容を設定します。

 

※平成16年の民法改正(現代語化)前は「囲繞地通行権」と呼ばれていた。
”他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる”とされる。

 

 
~Step3.鑑定評価手法の適用~

依頼者聴取、現地調査、役所調査、市場調査で把握した内容を総合的に検討し、正常化判断の結果を前提に、鑑定評価の方針を固め、各手法を適用していきます。

Step1.で得た情報や、Step2.の判断により、Step3.は、さまざまな展開を見せることになります。

通路開設等の想定事項の実現不確実性、無道路地の市場性を、鑑定評価額決定までの過程に織り込みます。

 

 

次回ブログより、弊社が過去にお受けした無道路地の事案のいくつかをご紹介し、多様な無道路地評価の一端をお示しします。

 

 

 

全国あらゆる不動産の鑑定評価を承っております↓

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FRAコンサルティングの降矢等です。

 

先月、『借家権の評価ご依頼が多い理由』とのタイトルでブログを書きましたが、今日は同じく鑑定ご依頼が多い「無道路地」について、借家権と同様にご依頼の背景を分析してみたいと思います。

 

3cb5028105b51e33d89f26c3cd12543a_s「無道路地」とは、「道路に接面していない土地」です。

 

建築基準法で規定する道路に接していない土地には、原則として建物を建てることができません。
(ご参考:『敷地の接道義務について』)

 

 

 
(1)無道路地の価格は不動産鑑定士でないとわからない

建物が建てられないとなると、土地の利用方法は資材置場などに限られてしまいます。
このような土地の価値は、当然、建物が建てられる土地と比べて大幅に低くなります。

 

では、どの程度低くなってしまうのか…簡単に掴めるものではありません。

 
借家権とは違い、無道路地は市場取引されています。

しかし、取引の数が少ない上、物理的状態や価格把握の事情に関して無道路地の個性は様々で、その価格を根拠に基づき論理的に把握・説明できるのは、実際のところ不動産鑑定士だけです。
 

そこで、無道路地について、売買や相続、あるいは徴税の場面において、民間・公的機関の方から多くのご相談を受けております。

 

 
(2)土地の実態に即した納税とする(節税)には、鑑定評価書が必要

無道路地には、財産評価基本通達(相続税)、固定資産評価基準(固定資産税)といった税務上の評価手法があります。

ですが、これは画一的な基準であるため、前述した特有の個性や現時点の市況を正確に反映することは難しく、規定に則った価格と、鑑定評価による価格にはしばしば大きな金額差が認められます。

実態に即した納税をご希望される方が税務当局へ更正請求をなさる際の根拠資料として、鑑定評価書をご利用いただいています。

 

 
評価以前に、そもそも無道路地か否かの調査判定よりお手伝いをしております。
無道路地のご心配がおありでしたら、弊社鑑定士にご連絡ください。

 

 

 

無道路地の評価は実績豊富な弊社にお任せ下さい↓

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不動産鑑定士・降矢等です。

 

もうかなり前のこととなりますが、親しい知人が賃貸する物件で、事故判明の瞬間に居合わせ、事後対応を引き受けたことがあります。
9a2aeff8e67813d954a3a63a55cd358bd知人はアパートの1室を一人暮らしの男性に賃貸していました。

2、3ヶ月の滞納が何度かあったものの、督促には応じてもらえていたので、知人は男性に部屋を貸し続けていました。

しかしあるとき滞納が4ヶ月に至り、いよいよ一度しっかりと話合いをしなければ…と考えた知人に、私は話合いの場への同席を頼まれました。

 

 
指定された日、私はアパートに出向きました。

 

「〇〇さん。いらっしゃいますか」

呼び鈴を押し、ドアの外から何度か声をかけましたが、反応がありません。

 

一応、部屋のマスターキーを持ってはいましたが、どうしたものか…と私たちが考えあぐねていますと、たまたま別の部屋の修繕にきていた地元の大工の棟梁が、訝しげな顔で廊下に出てきました。

 

棟梁に事情を説明したところ、「オレ、あの人と顔見知りだし、ちょっと見てやるよ」と言うが早いか、棟梁は鍵を手に取り玄関を開けました。

 
「おーい。こんにちはー」

返事はありません。

 

おかしいな…、と言って靴を脱いだ棟梁は、部屋の奥へと入り… 次の瞬間「ギャーー」という声がして、棟梁が血相を変えて私たちの待つ外へ飛び出してきました。

 

「死んでる!! 入らないほうがいい! 見ないほうがいい!」

 

男性は、首を吊っていたのです。
すぐに私は警察を呼びました。

私服警官が数名やってきて、ご遺体を下ろし、ワゴン車で運んでいきました。
男性は自殺であると警察は判断し、後日聞いたところでは、ご遺体はそのまま無縁仏として処置されたそうです。

 

私は男性の離婚した元ご家族に連絡を取って事の次第をお伝えしましたが、先方からは「もう関係ない人です」との言葉しかなく、私物の引き取り等には応じてもらえませんでした。

 

私たちのほうで専門業者を手配して、部屋の片付けとクリーニングを行いました。(費用25万円。)

最後にご供養(お祓い)を僧侶の方にしていただきました。
儀式自体は20~30分ほどでしたが、設営・撤収等含めると2時間ほどかかり、3万円をお支払いしました。

 

・・・忘れられない出来事です。

 

 

 

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降矢等です。

今日は、事故物件の鑑定評価事例のお話をします。

 

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ご依頼者は不動産会社で、某別荘地の開発素地を取得しました。区画割して分譲地として販売する計画でした。

 

しかし売買契約を結んだあとになって、実は一団の土地の端のあたりで焼身自殺が過去に起きていたとわかりました。
地元では知らぬもののない事件だそうです。

 

 

このような心理的瑕疵ある物件であるにもかかわらず、重要事項説明での告知がなかったため、高額で土地購入をしてしまったご依頼者は、契約解除はしないが売買価格を実態に見合う金額に引き下げたいとのお考えより売り主を提訴。

訴訟での根拠資料とするため、事故物件の鑑定評価ご依頼が弊社にありました。

 
いくら一団の土地の端とはいえ、物件の範囲内で発生した自殺で、周辺住民周知の事件であり、素地全体を依頼者が計画する15区画に造成して市場に出しても、自殺のあった辺りの区画の販売は困難です。

 

そこで作成した区画割図から想定し、開発道路を境に焼身自殺のあった(影響のある)エリア一体を5区画と判断してその範囲(5/15区画相当)の販売収入はゼロ計上としました。

一方、土地開発に要する費用は、15区画相当を全て計上します。

 

このような前提で開発法とよばれる鑑定評価手法を適用し、事故物件であることを考慮した鑑定評価額は、当初の契約額の半分程度となりました。

 

その後、裁判所で当方の鑑定額が相当であると認められました。

 

 
前々回のブログでも触れましたが、”心理的嫌悪感”という漠たるものを、鑑定においては何かしら定量的な形として反映しなければなりません。

 

事故物件に限りませんが、この種の判断・変換をいかなるロジックで行うかが、鑑定評価書の信頼性の差、鑑定士の力量の差になると考えております。

 

難しい要素を含む判断について鑑定士一同で議論を重ね、これからも皆さまのお手元に高精度の鑑定評価書をお届けしてまいります。

 

 

 

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FRAの降矢です。

 

先日、松原タニシさんという芸人さんのことを知りました。

この方は、事故物件を渡り住み、そこでの日常の現象を検証する「事故物件住みます芸人」として活動されているそうです。

以前ピスタチオのお二人にお会いしたときにも強いエネルギーを感じましたが、芸人さんは凡人には考えつかないことをされますね…

 
8fecc0e7a4350be4475f5f1c54d711939_sさて、「事故物件」とは、敷地や建物内において、自殺、殺人、火災による焼死、変死、長期未発見の孤独死といった、事件・事故があった物件をいいます。

 

新たにその物件を利用する人が心理的な嫌悪感を持つ可能性の高い物件であることから「心理的瑕疵物件」とも呼ばれます。

 

 
事故物件の賃貸・売買では、契約時の重要事項説明の際に、借主または買い主に事実を伝える告知義務があると宅地建物取引業法で定められています。

 

また、不動産鑑定評価においては、事故の事実を減価要因として扱って評価に反映します。

 
こういった原則はありますが、どこまでを事故と捉えるかや、いつまでその心理的悪影響が継続するかなどに関し、一律の規定はありません。

 
取引における告知や鑑定における減価をいかに行うか、過去の判例やその不動産が存する地域特性等に照らし、個別事案ごとに判断することになります。

 

 
次から2回のブログでは、事故物件に関する私の実体験をお話しようと思います。

 

 

 
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降矢等です。

最近弊社にご依頼があった借家権鑑定評価の事案をご紹介します。

 
地方中核市の中規模ビル(1980年代築)の1階で飲食店を営んでおられる方が依頼主です。

ビル周辺は市役所等の公共施設が集積しているエリアで最寄駅からは徒歩3~4分程度と、立地条件良好。

ビルオーナーは当地と隣地と一体でマンション開発を進めたい意向で、店主の方へ立退きの話がもちかけられました。

 

7ecf6c44d5288197d138238c210f6bb_sご依頼主はこの場所で10年弱営業を続けてきました。

 
昼夜それぞれに固定客もついており、店舗経営は順調です。

 

移転しないで済むのが一番なのですが、他のテナントが順次明け渡しに応じていった結果、とうとうビル内で営業を続ける最後の店舗となってしまいました。

 

 

そこで、一方的な事由で退去せざるを得ないのであれば、実態に即した立退料等を請求したいとのお考えに至り、立退料の基礎となる借家権の適正な経済価値を知る必要があるということより、弊社に鑑定評価をご依頼下さいました。

 

前回ブログで書きました手順に則り、本件借家権は2000万円ほどと評価をいたしました。

 
以上、事案の概要のみ記しましたが、借家権あるいは立退料の鑑定評価にご関心がおありの方は

『やさしくわかる!不動産鑑定ストーリー』 のカテゴリーに収められております、

・店舗の立退料。Cさんのストーリー
・事務所の立退料。D社のストーリー

の両シリーズブログに是非お目通しください。

 

『やさしくわかる!不動産鑑定ストーリー』のシリーズでは、不動産鑑定が皆さまにもたらすメリットや、ご依頼~お悩み解消まで実際どのような経過を辿るのかを、分かりやすい形でお伝えすることを目的に、弊社が今までご依頼頂いた案件を、お客さま(=依頼者)を主役にした物語仕立てにてご紹介しております。

 

 

 

借家権・立退料の鑑定評価、全国対応をしております↓

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