Monthly Archives: 7月 2017

伊藤です。

相続対策に、「法人化(法人成り)」として知られる、個人所有の賃貸用建物を法人所有に切り替えて節税をはかる方法があります。

 

まず、相続人を出資者・役員とする同族法人をつくります。
そして、被相続人となる個人が所有する賃貸用の複合不動産(土地と建物)の建物のみを法人に売却します。

 

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賃貸用の複合不動産で収益をあげているのは土地ではなく、建物です。

 

個人所有の建物を法人所有に切り替えることで、家賃収入を被相続人となる個人ではなく法人が受け取るようになります。

 

 

 

法人は家賃収入から役員報酬(給与)を役員に支払います。

このかたちを作ることで、被相続人に入っていた家賃収入が、相続人へと移ります。

 

被相続人に家賃収入が入り続けると、課税対象となる財産が増えて、相続税の税率が上がっていきますが、これを防ぐことができるのです。
また、役員(相続人)に収入が入れば、相続人は将来の相続税支払いのための資金の事前準備ができることとなります。

 
このスキームにおいて、個人が法人に建物を売却する際の価格として鑑定価格を採用することが有利となる場合があります。

 

関係者間での不動産取引は、時価に基づくこととされています。
時価とは、不特定多数の当事者間で自由な取引が行なわれる場合に通常成立すると認められる価格です。
実務では、帳簿価格(帳簿の未償却残高)、すなわち「簿価」が用いられるのが一般的です。

 

しかし、簿価が不動産鑑定評価による時価と大きく異なる場合があります。

例えば、簿価は低いけれど、実際は収益性の高い賃貸物件で、収益還元法という手法を中心に鑑定した時価は高い場合。
反対に、バブル期の建築コストの高い時期に建てられて簿価は高いものの、現在は低収益に甘んじていて、鑑定時価は低い場合。

 

上記のように簿価と鑑定評価額の差額が大きいケースでは、税理士さんとの事情分析の結果、鑑定による適正時価の採用が税務的にもっとも有利となることがあります。

 
建物簿価について疑問がおありのときは、是非一度私どもにご連絡下さい。

鑑定評価による時価(市場価格)と異なる可能性があるかどうか、お答えいたします。

 

 
不動産相続では、さまざまに鑑定評価をお役立ていただけます↓

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不動産鑑定士・伊藤由美子です。

 

今日から土地上の「建物のみ」の鑑定評価(部分鑑定評価とよばれます)という新たなテーマで、ブログを書いてまいります。

 

 

 
税務上あるいは会計上の必要性より、土地利用権を持たない「建物のみ」の時価を把握したい、という評価ご依頼を、弊社は折々いただいてきました。

 

相続対策(資産管理会社に建物のみを売却)や、企業活動の一環(関係者間での売買、企業買収、民事再生法適用)といった場面で、「建物のみ」を対象不動産とする鑑定評価により、物件の実態に即した課税となって、節税につなげられるケースがあります。

 
この「建物のみ」の鑑定メリットをご存知ない方に向け、次回から具体的なケースを挙げてお話をさせていただきます。

 

 

 

建物のみの評価、お任せください↓

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FRAコンサルティング・伊藤由美子です。

 

前回ブログまで、「中古」「環境」「耐震性」をキーワードに、住宅と事務所ビルのトレンドについてお話してきました。

今日は、この3つのトレンドを鑑定評価にいかに反映していくか、具体的にみていきます。

 
まず、耐震性能の重視は、国民の間で広く共有される価値観となるに至っています。
ですから、鑑定評価でも「耐震性」は常に評価項目に上がります。トレンドと評価目線は一致しており、耐震性の不足は減価要因です。

 
つぎに、「中古不動産」のうちとくに木造住宅、事務所ビルのうち「環境不動産(環境性能が高く持続可能なマネジメントがなされている不動産)」は、国が私たちに価値観の転換を訴え、評価を変えていこうとしている不動産です。

 
27-10政府は「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会を目指しています。

 

これから作るものは、環境まで考えたいいものを。

 

今あるいいものは、その価値を認め、手入れをして、長く使う。

 

 
一個人としてこの方向には深く共感します。

 
しかしながら、不動産鑑定士としての評価目線には、こうあるべきだから、との感情が入り込むことのないように注意しています。

 

不動産鑑定士とは、取引市場になりかわる存在。
取引市場で成立するであろうありのままの価格(市場価格)を求めることが、使命です。

 

そのため、築20年超だけれどまだ使える木造住宅だ、と自分自身は感じても、その物件に価値を認める市場参加者がほとんど見込めないと判断すれば、建物価格を低く、廃材の価値程度にしか評価できません。

 

環境認証を取得した事務所について、省エネ性能の高さが水道光熱費の安さとしてダイレクトに反映することはあります。

 
しかし、環境不動産ということでテナントの引き合いが強まる、通常ビルより高い価値を認める(高い賃料を払う)テナントがついてくる、とならない限り、競争関係にある他の事務所ビルと比べて明らかな高評価とすることはありません。

 

 
古いものに価値を認める、地球環境を気遣うといった価値観をもつ方は、若い世代を中心に増えてきていますが、広く一般的価値観となったとまでは言えません。

トレンドの広がりはどれほどのスピードで進むのか… 市場参加者への浸透度をつど見定め、評価へ反映してまいります!

 

 

 

ご所有建物の使用価値・市場価値について、お話しませんか?↓

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不動産鑑定士・伊藤由美子です。

 

東日本大震災以後、事務所ビルを新たに借りるテナントのほとんどが、耐震性の確保を入居先選びの要件とするようになりました。

 

大きな地震が起きたときに、従業員の命を守り事業を継続するためには、建物の耐震性能、免震・制震装置や非常用発電設備の有無への目配りが必要です。

 

 

建築確認を受けた時点が1981年6月以後かどうか、いわゆる「新耐震」のビルなのか「旧耐震」のビルなのか 。

これが事務所ビルの耐震性能を判断する入口となります。

 
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「旧耐震」の建物については、阪神・淡路大震災の発生を受けて「耐震改修促進法」(建築物の耐震改修の促進に関する法律)が制定され、その後同法の数回の改正をもって耐震診断や耐震改修が押し進められました。

 

その結果、「旧耐震」のビルでも耐震診断済み・耐震工事済みの物件が増えていますので、耐震診断の結果や、耐震補強・改修によって安全が確保されているかどうかの確認を行います。

 

 

耐震性能は、建物の形状や耐震壁の配置の状態、施工の質、経年劣化の程度によって異なります。

 

耐震診断をすると、まれに「旧耐震」のビルであっても現状のままで十分な耐震性能を確保していることがあるようですが、やはり備えるべき耐震性能レベルに達しないケースが大半を占めます。

そうなると建物の耐震補強・改修や取壊しを急がねばなりません。

しかし小規模・中規模のビルでは、入居期間が長いテナントとの関係(立退きや休業の補償で折り合わない)がネックとなって、耐震対応が頓挫してしまうケースがしばしば見られます。

 

交渉根拠には、調査報告書・鑑定評価書をお役立ていただけます。

 

立退料・補償費のお悩みがおありの場合は、どうぞ一度私どもにご相談下さいませ。

 

 

【ご参考】立退料の評価についてストーリー形式でお伝えしています:
店舗の立退料。Cさんのストーリー(その1)
事務所の立退料。D社のストーリー(その1)

 

 

 

 

立退料評価、数多く行っております↓

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伊藤由美子です。

 

2017年4月、「建築物省エネ法」(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)が改正されました。

新築の特定建築物(2,000㎡以上の非住宅建築物)は、省エネ基準に適合が必須となります。

 
適合しているかどうかは、所管行政庁または登録判定機関が判断し、適合判定通知書が届かなければ着工できません。

 
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「環境」への配慮は、事務所ビルの性能評価の中でより重要になってきています。

 
建築のときから、使用・運用中、そして解体されるまで、環境負荷を低くすれば、水道光熱費や維持管理費が減少する。オフィス環境が良好になれば生産性が向上する。ビルを賃貸するときイメージアップにもつながる。

 

 

このように考えるビル所有者が、環境認証を取得する事例も見られるようになりました。

 
不動産の環境認証制度には、CASBEE(建築物総合環境性能評価・日本)、LEED(環境性能評価制度・米国)、BELS(建築物省エネルギー性能表示・日本)などがあります。

 

ほかに日本政策投資銀行と日本不動産研究所が環境や社会への配慮がなされた不動産について共同認証する制度、DBJ Green Buildingがあり、さらに、米国発の働く人の健康に焦点を当てたビル認証制度のWELLにも認証申請する日本企業が出てきました。

 

 
環境配慮のトレンドは、小規模ビルや築年が経ったビルへと広がりを見せていくことでしょう。

 

 

 

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伊藤です。

事務所ビルについて、建物の3つのトレンド 「中古」「環境」「耐震性」を見ていきます。

 

今日のテーマは「中古」です。

 
国内の既存ビルのストックが積み上がる中、これらビルの再生・活用が所有者のみならず社会にとっての課題となっています。

 

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建築当初は先端技術が用いられて競争力が高かった事務所ビルも、時間とともに劣化が進み、竣工から20年もすれば機能や性能について一般的に要求される水準を満たせなくなってきます。

 

そのため、修繕工事やバリューアップ工事を適切に施していくことが大切です。
(修繕工事とバリューアップ工事の違いについては、以前のブログでご確認ください。)

 

 
建物の顔となるエントランスやエレベーターホールのリニューアル、ビル全体の印象を決める外壁の改修、トイレの快適性を高めるリノベーション、建物の省エネ性やセキュリティ向上を図る改良工事、といった各種バリューアップ工事を行うことで、ビルの原価の積み上げ計算に基づく建物価格は上がります。

 

土地・建物一体としての不動産価格も上がりますが、どの程度上昇するかは、工事への投下資本の額から一律に導き出せるものではありません。

 
事務所ビルの立地(都心のオフィス立地として評価の確立した場所か、周縁のオフィス需要の弱い場所か)によって価格上昇の程度は異なります。

どれほどハイグレードな機能・管理システムだとしても、オフィス需要次第で設定できる賃料には上限があるので、需要が旺盛ではない立地ではオーバースペックとなってコスト倒れしてしまうおそれがあり、不動産価格も抑えられてしまいます。

 

さらに、そもそも不動産市況が冷え込んでいる時には、バリューアップによって高いレベルの価格上昇を期待することが難しくなります。

 
「市況を読み、費用対効果を見極める眼」が、中古事務所ビルのオーナーには必要です。

 

 

 

 

オーナーの皆さまの眼となって、建物の今とこれからの判断をいたします↓

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不動産鑑定士・伊藤由美子です。

 
先週のブログで、中古住宅購入者のなかで築33年以上の住宅へ入居した人の割合が、戸建は20.6%、マンションは18.4%で、増加傾向にあるとお話しました。

 

2013年に行われた調査の結果ですので、この20.6%・18.4%の方々は、1980年以前に建てられた住宅、つまり旧耐震基準(1981年5月30日までの建築基準)の住宅を購入されたということになります。

 

私の自宅も中古で購入した旧耐震基準のマンションです。(以前のブログをご参照ください。)

耐震診断を専門家に依頼し、耐震性を確認してから、購入を決めました。

 
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これから中古住宅の流通が活発化していけば、住宅の耐震性が問われる場面はますます増えます。

 
また、同じ先週のブログで触れた政府方針「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」に沿った「長く使えるいい住宅」とは、当然、十分な耐震性を備えた住宅です。

 
中古住宅、新築住宅ともに、住む人の命を守る耐震性を確保することが必須です。

 
耐震性に不安のある住宅については、下記ウェブサイトをご覧の上、耐震診断・耐震改修を早々にご検討ください!

耐震支援ポータルサイト

 

 
築年の古い建物について維持/取壊しのお悩みあればお聞かせ下さい↓

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FRA・伊藤です。

住宅のトレンドテーマ「環境」の2回目です。

 
(2)環境変化をふまえて住宅をいかす

 
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住宅が建っている地域環境は、時代の移り変わりに伴い変化していきます。

 

例えば、建築当時の環境では価値が高く輝いていた戸建住宅。

 

 

適切な維持管理でまだ建物としての機能は残っていても、時代や地域の環境変化によって魅了を失ってしまうケースが全国各地で見られます。

こういった住宅は、住み心地が悪く、買い手や借り手も見つからず、空き家となってしまいがちです。

 

 
けれども、いまの環境をしっかりと見定めることで、住宅を再生したり、用途変更したりで、活かしていく道がひらけます。

 

 
先月、NHKで『クローズアップ現在+ 空き家が収益物件に!? 新時代の活用術』という番組が放送されました。

 
番組は、

・都市への人口流出が進む千葉県南房総市(空き家率およそ24%)で、「二地域居住」(平日は都会で働き、週末は田舎暮らしをする生活)という新しいライフスタイルの出現をとらえ、空き家を売却・賃貸した事例

 

・築90年の木造住宅(町家)を、徒歩10分ほどの場所にオフィス街があることに着目し、シェアオフィスに改修して毎月45万円を売り上げる収益物件とした事例

など複数の事例を紹介していました。

 

 
このような、住宅を新たな発想で活かしていく動きは、今後より広がりをみせることでしょう。

 

 

 

環境変化への対応アドバイスをいたします↓

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