不動産鑑定士・降矢等です。

先月、令和5年地価公示が発表されました。

東京都の状況について”地価公示マメ知識”を交えてお知らせいたします。
 

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FRA代表鑑定士 降矢等の仕事 ~東京都区部第5分科会(台東・墨田・江東)・鑑定評価員

 
 

~ 東京都の住宅地 

 

・23区全体では、3.4%上昇(1.5%上昇)。全ての区で上昇率が拡大となった。
・上昇率が大きい順に、台東区 4.8%上昇(1.8%上昇)、豊島区 4.7%上昇(2.6%上昇)、中野区 4.6%上昇(2.1%上昇)となった。
・総じて住宅需要は堅調であるが、とりわけ都心周辺の利便性の高い地域ではマンション、戸建住宅とも需要が旺盛で、上昇傾向となった。

・多摩地区では、1.6%上昇(0.5%上昇)。全28市町が上昇で、調布市など17市で上昇率が拡大し、5市町で横ばいから上昇、6市町で下落から上昇となった。
・上昇率が大きい順に、調布市 3.6%上昇(1.5%上昇)、府中市 3.3%上昇(1.4%上昇)、立川市 3.1%上昇(1.1%上昇)、国分寺市 3.1%上昇(1.1%上昇)、狛江市 3.1%上昇(1.1%上昇)となった。

※( )は前年変動率

出典:国土交通省ウェブサイト(令和5年地価公示・市区町村別地価動向・東京圏-住宅地)より

 
 

~ 東京都の商業地 

 

・23区全体では、3.6%上昇(0.7%上昇)。全ての区で上昇となった。
・20区で上昇率が拡大し、千代田区、中央区、港区の3区で下落から上昇となった。
・再開発事業の進捗等による利便性の向上などが見られる地点や、上層階のマンション利用が可能な地点、地元消費指向の反映された地点を中心に上昇傾向が見られ、上昇率が大きい順に、中野区 5.2%上昇(2.3%上昇)、北区 5.2%上昇(1.7%上昇)、荒川区 5.2%上昇(2.0%上昇)となった。
・千代田区 2.1%上昇(1.2%下落)、中央区 2.1%上昇(1.3%下落)、港区 2.8%上昇(0.3%下落)では、飲食や観光客に関連した需要の減退、オフィス市況の先行き不透明感などから下落が継続していたが、人流が回復傾向にあることなどにより上昇に転じた。

・多摩地区では、2.1%上昇(0.5%上昇)。全27市町で上昇し、15市で上昇率が拡大、5市町で横ばいから上昇、7市で下落から上昇となった。

※( )は前年変動率

出典:国土交通省ウェブサイト(令和5年地価公示・市区町村別地価動向・東京圏-商業地)より

 
上記の通り、東京都の住宅地について、上昇率トップは台東区4.8%です。
 
この4.8%という上昇率は、台東区内の6地点の地価変動率より導出されております。

6地点(下記)は、池之端上野桜木という文京区と隣接し上野公園周辺の自然や文化に親しめるエリア、また谷根千と称され下町風情が人気の谷中根岸のエリアにある、独自の競争力を有する住宅地である点にご留意いただければと思います。
 

台東-1 ・・・池之端4-26-10
台東-2 ・・・根岸4-10-10
台東-3 ・・・谷中2-8-14
台東-4 ・・・上野桜木1-1-5
台東-5 ・・・谷中6-2-19
台東-6 ・・・池之端1−4−28

 
 
東京23区について地価公示地の地点数(住宅地、商業地)の比較ができる資料を作成しました。
(国土交通省公表の令和5年地価公示・東京圏の市区の対前年平均変動率 を加工)
 
1681373865066
 

台東区は全般に商業色が濃い区で、地価公示の対象地点は、住宅地が6地点であるのに対し商業地は48地点と8倍の設定があります。
 
これに対して練馬区を見ると、住宅地が92地点で商業地が17地点と、こちらは住宅地のほうが商業地の約5.4倍です。

住宅用途が中心の区であるとわかります。
 

このように、地価公示の公開情報からは地価の推移のみならず、各地域の用途的特性等を読み取ることも可能です。
 
 

地価公示評価時点(令和5年1月1日)以後の不動産市況、地価公示公表情報の見方など、弊社不動産鑑定士がご質問にお答えいたします。

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