公的評価・調査(地価公示、地価調査など)

 
不動産鑑定士・降矢等です。

本日から数回のブログでは 「相続税路線価」 に関する話題を取り上げます。

 
17-443599_s公的機関の依頼を受けて不動産鑑定士が行う”公的評価”の代表格のひとつが、路線価を決定する根拠となる相続税標準地の鑑定評価です。

今まさにこの鑑定業務取り組みの最中なのですが、昨年末、この相続税路線価に関してお客さまからご質問がありました。

いただいたご質問および私がお答えした内容を、記事としてお届けします。
 
 
ここで、 相続税路線価 とは、相続税や贈与税を算定する際の基準となる価格です。
 
路線価図および評価倍率表から構成される「財産評価基準書」の形で、国税庁が1月1日時点の価格を同年の7月1日に公表しています。

以下のブログで詳しい説明をしておりますので、ご参照下さい。

これだけ知っておけばOK!「路線価」のポイント&活用法

 
ご質問があったのは3点です。

「なぜ、発表が7月1日(と遅くなるの)か?」

「相続税申告に用いる路線価は、いつのものを使えばいい?」

「新型コロナウイルス禍により、路線価の取り扱いに変更は?」

 
順次お答えしてまいります。
 

「相続税路線価」について他の疑問点等おありでしたら、お問い合わせフォームまたはお電話(03-3626-5160)で弊社不動産鑑定士にお気軽にご質問ください。
 

 
不動産鑑定士・降矢等です。

先月末、「令和2年 地価調査」の結果が発表となりました。

東京都の発表内容は以下リンクからご覧いただけます。

「令和2年東京都基準地価格」(出典:東京都財務局)

 
 
Print今回の地価調査の結果は、「わかりにくい」ものであったのではないでしょうか。
 
地価調査地価公示は、土地の取引が適正価格でなされるための指標とすることを目的に標準的土地の地価を調べる公的評価ですが、公表時にもっとも注目を集めているのは、本年の価格時点(地価調査は7月1日)の地価が前年調査時点からどれほど変動したか(変動率です。
 
 
このたび明らかになった各地点の変動率をご覧になって、「なぜこの率なのだろう」と思われた方が多かったようです。

 
 
新型コロナウイルス禍という一年前には考えもつかなかった困難に見舞われ、前年調査と本年調査の間に経済基調が反転しました。

その経緯を、内閣府による景気の基調判断(月例経済報告)で追ってみましょう。
 

昨年7月から本年2月まで 「緩やかに回復している」
3月 「厳しい状況にある」(発表3/26)
4月 「急速に悪化」(同4/23)
5月 「急速な悪化が続ききわめて厳しい状況」(同5/28)
6月 「下げ止まりつつある」(同6/19)

 

一年というタイムスパンで、経済は、概ね2/3の期間は回復傾向、1/3はの期間はコロナ禍、という状態にあったとわかります。
 
地価はそのときどきの経済情勢を前提に形成されますが、その影響は一律に及ぶものではなく、影響の内容や程度は地点ごとに異なってきます。

例えば、新型コロナウイルスの感染拡大により、商業地の人波が途絶えて繁華性は低下しましたが、都心の高度商業地、商店街を成す近隣商業地、郊外型店舗が立地する路線商業地、といった商業地としての性質の違いにより、繁華性低下の期間や商況への悪影響には差がありました。
 
結果として、東京都内で1278ある地価調査の評価対象土地(基準地)について、経済情勢、需給動向、開発計画等が複雑に影響を及ぼし、さまざまな変動率が導き出されています。
 
コロナ禍という突発的な一大事の発生で、変動率の数字からその背景にある経緯を読み解きづらい、地価が一律に上昇基調や下落基調にあるときとは異なる様相となったのが、今回の地価調査でした。
 

個々の基準地価格やご所有不動産の最新価格についてのご質問がおありの際は、お問い合わせフォーム、またはお電話(03-3626-5160)にてお気軽にご連絡ください。
 
 

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FRAコンサルティング代表の降矢等です。
 

地価公示法(昭和44年法律第49号)が施行されて、今年で50年。節目の年を迎えました。

 
 
 

地価公示の公表は第1回目が1970(昭和45)年であり、標準地の数は東京地区650、大阪地区240、名古屋地区80の合計970地点でした。

そして、制度発足から50年を迎えようとしている現在、平成30年地価公示の実績としては、全国を167の分科会に分けて、2,442人の鑑定評価員(不動産鑑定士)が、全国26,000地点(うち、福島第一原子力発電所の事故の影響による12地点で調査を休止)について選定及び確認を行い、分科会等における議論を経て、鑑定評価の結果に基づいて国土交通省の土地鑑定委員会が価格を判定し、公表しています。

さらに、これまでは鑑定評価書の一部だけを情報公開していたものを、平成31年地価公示からは、インターネットを通じて鑑定評価書の全てのページを公開するまでに進化しています。

公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会ホームページより

 

弊社が所属する公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会では、9月のブログでもご紹介した講演会ほか、地価公示制度についてより広く皆さまに知っていただきたく、さまざまな「地価公示制度50周年記念事業」を企画・実施してまいりました。

今月、同会の監修による地価公示に関する書籍が出版されましたので、ご紹介いたします。

「Q&Aでわかる地価公示の見方・活かし方」 (中央経済社・2200円)

 
同会広報委員会が作成した8分ほどの記念動画は、地価公示がどのような制度であるか、その社会的な意義はなにか、についてわかりやすく説明しています。

「あなたの役に立ちたい ~地価公示~」

 
 
私どもも地価公示に関して継続的にブログ発信しております。

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地価公示の業務担う不動産鑑定士は、この制度を通して広く国民の皆さまとつながりを頂いております。
 
地価公示制度についてご不明な点がおありでしたら、いつでも個別にお答えいたします!

お気軽にお電話(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)でご質問ください。
 

FRAコンサルティング代表の不動産鑑定士・降矢等です。

このほど「令和元年 地価調査」の結果が発表となりました。

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  地価公示と地価調査の違い

 

今回の地価調査で発表されたのは7月1日時点の価格です。
 
都内に設定された評価ポイント(基準地)の価格は、全用途の平均で、前年比4.1%上昇しました。上昇は7年連続です。

商業地については、訪日外国人観光客が多い地域や再開発が進む地点の地価が大きく上がりました。

 
2318096f2a7d5b0a4d66953e9ed7a1ea_s私が地価調査の鑑定評価員として所属する区部第5分科会の担当エリアには、東京を代表する観光地・浅草があります。
 
半年前(1月1日時点)の平成31年度地価公示、一年前の平成30年度地価調査、の折にも、浅草の不動産市況の活況について当ブログで言及・解説してまいりましたが、令和に入ってからも、浅草の不動産市場の勢いは衰えず、関係者の耳目を集めています。
 

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  平成30年地価調査・なぜ浅草の地価は大幅上昇となったのか

 

平成31年地価公示では、浅草の中心地である浅草1丁目の評価ポイント・台東5-4が都内商業地の上昇率ランキングのトップでした。
 
続く今回の令和元年地価調査でも、同じ浅草1丁目にあるポイント・台東5-1が、上昇率34.5%都内商業地のトップです。

ちなみに、台東5-1の平成30年地価調査の時点における上昇率は15.4%。昨年は都内第2位でした。
 

台東5-23

台東5-23

 

浅草1丁目には、令和元年から新たに2地点の基準地が新設になっています。

台東5-23(浅草1-30-11)
台東5-24(浅草1-9-2)

 

台東5-24

台東5-24

 

 

この10数年の間、東京都での基準地の新設はありませんでした。
近年、地価上昇が勢いづいていることを受けて都が増設を決定した10ポイントのうち、浅草の2地点以外は中心区への設定です。

 
 
 
先月の地価調査結果の発表前後には、私どもへ複数の記者の方から市況についてのお問い合わせがありましたが、ホテル用や事業用を中心に浅草エリア不動産への引き合いは強いです。
 

次回令和2年の地価調査、価格時点は東京オリンピック・パラリンピックの開催直前(7月1日)、発表は閉会後(9月後半)となります。
 
向こう1年、引き続き市況をしっかりと見つめてまいります。

 
台東・墨田・江東をはじめ、首都圏不動産に関するご相談・ご質問がございましたら、どうぞお気軽にご連絡(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)ください。
 

不動産鑑定士・降矢等です。
 
平成31年度地価公示の発表を機に、数回のブログで地元である台東・墨田・江東の地価分析や最新トピックをお届けしてまいりましたが、今日で地価公示に関する話題は一度区切りをつけたいと思います。
 
 
7a38710819852190bbc0c34270b06ec646_s個人、法人の皆さまからご依頼いただく不動産鑑定評価やコンサルティング業務と、公的機関からご依頼いただく鑑定評価は、その両方が弊社業務の中心を成しております。

それぞれの評価を恒常的・継続的に担当させていただくことで、一般評価には公的評価の過程で得られる不動産市場全体を捉えた知見を盛り込み、反対に、公的評価には一般評価を通して得られるリアルなマーケットプレイヤーの思考と行動を反映することが可能となって、厚みと深みのある不動産評価を皆さまにご提供差し上げられるものと思い、日々の業務に邁進しております。
 
 
地価公示は、今年、制度が始まって50年の節目を迎えます。
 
地価公示制度は固定資産税など土地税制を支える基礎であり、毎年の結果は、広く国民の不動産を見る眼に影響を与えてきました。
 
 
私が地価公示の鑑定評価員となって18年、鑑定評価員が所属する分科会の取りまとめ役である幹事を仰せつかるようになってからは4年が経ちました。
 
ベテランと呼ばれる年次となってはいますが、初心を忘れず、ひとつひとつの評価地点としっかり向き合って精緻な評価に努めることで、すべての不動産の効用が最大に発揮される社会の実現に貢献してまいります。
 
 
不動産に関するお悩み・ご相談がございましたら、どうぞお気軽にご連絡(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)ください。
 
 

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東京、墨田・江東・台東の不動産鑑定に強い理由があります

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不動産鑑定士・降矢等です。

台東区、墨田区と、平成31年地価公示の発表以後ブログで取り上げてまいりましたが、本日は江東区についての話題です。
 
豊洲市場に東京オリンピックに、と数年来、湾岸エリアがメディアで報道される機会が多い江東区ですが、区全体を見渡すと、その地域特性は、墨田区と同様に、住宅地・商業地・工業地の混在地域であるといえます。

特にマンション需要が高いのが江東区の特徴ですが、これは都心のオフィス街へのアクセスが良く生活にも便利でありながら物件価格や家賃に値頃感があるためです。
 
 
6be96003a8d981bbfaae9bbdf97e0ffa2_s平成31年地価公示では区内全域の地価が上昇し、なかでも豊洲や亀戸エリアが10%を超える高い上昇率を示しました。
 
亀戸では、今年、地元で熱い注目を集める開発プロジェクトが着工します。
 
かつて亀戸駅東口にほど近い場所に立地し、3年前に閉鎖となったショッピングモール「サンストリート亀戸」の跡地に、マンションと商業施設が建設されます。
 
 
本年6月に着工し、竣工は3年後。開発敷地面積22,989.26㎡、マンション・地上25階地下2階建、商業施設・地上6階地下1階建、の大規模プロジェクトです!
 
マンションは1000戸程度となる模様で、ショッピングモール復活による利便性の向上とともに、新たな住民の流入が亀戸の街に変化をもたらしていくことでしょう。
 
 
これから折々に、工事の進捗や周辺への影響の実態などを調査をしていくつもりでおります。
 
本件ほか最新の江東区の不動産市況につきましては、お電話(03-3626-5160)でお気軽にお問い合わせください。
 
 

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市場オープンの豊洲! ~街はこれからどう変わるのか
江東区『マンション等の建設に関する条例』が一部改正されました

 

FRAコンサルティングの降矢です。

平成31年地価公示に関連し、今日は、墨田区の話題をお届けします。

まず簡単に墨田区がたどった歩みを振り返ってみます。
 
現在の墨田区のあたりはもともと農村地帯でしたが、南部は江戸時代に明暦の大火の復興として幕府が行った開拓により、武家屋敷や町家、寺社等の移転先となり、その後は住宅・商業地域として発展しました。北部地域は農村地帯を中心に、隅田川と周辺の寺社地は江戸の市民や文人墨客の遊覧の地として親しまれていました。

そして明治時代となって、河川の水運、労働力、用地の確保のしやすさから北部は紡績、南部はゴム・精密機械などの工業地帯として発展。その後、南部地域は関東大震災、第二次世界大戦による大きな被害を受けた一方、北部地域は戦災を免れ、現在へと至っています。
 
このような経緯より、住宅地・商業地・工業地が混在しているのが墨田区の特徴で、おおむね北十間川を境にして、北部は中低層の建物を中心とする密集市街地、南部は中高層の建物を中心とする街並みが形成されています。
 
 
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平成31年地価公示では、区内全域の地価が上昇しました。
 
特に、南部のJR総武線錦糸町駅・両国駅の周辺の評価地点では、10~14%の上昇が認められました。

前回ブログで取り上げた浅草橋周辺と同じく、錦糸町・両国エリアでも外国人旅行者が年々存在感を増しています。
 
 
 
弊社は錦糸町駅にほど近い場所にありますが、夜食を買いにコンビニに立寄ったときなど、レジに列を作っているのはほとんどが外国の方です。

錦糸町には以前はアジア系の旅行者が多かったですが、最近では半分アジア、半分欧米、という印象で、欧米系の方が目立つようになってきました。
 
 
こうしたインバウンド要因に加えて、平成31年1月1日時点の価格を求める地価公示には別に織り込まれていた要因があります。

この3月16日にオープンした「錦糸町パルコ」開業の影響です。
 
下町エリアのパルコの新店では、平成29年11月にオープンした「パルコヤ上野」が思い出されますが、こだわりを持つオトナ世代をターゲットとしたパルコヤに対し、錦糸町パルコのほうは、職住接近で忙しく働く共働き世帯が想定顧客ということで、全国最大級の無印良品などより生活に密着した業態のテナントが揃っています。
 
 
墨田区最大の繁華街である錦糸町は、交通アクセス良好でその商圏は広く、錦糸町パルコオープンが街のさらなる活性化をもたらすことを地元の人間として期待しつつ、今後も墨田区全域の地価動向に目配りしてまいります。
 
墨田区の不動産に関するご相談ごと等おありの際は、どうぞお気軽にご連絡(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)ください。
 
 

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不動産鑑定士・降矢等です。

前回までのブログで、台東区にあって世界的知名度を誇る浅草の地価についてお話してまいりました。

本日は、台東区の浅草以外の地域について、平成31年地価公示をふまえつつ見ていきます。

 

浅草の北側、台東区の北東部(千束、三ノ輪、日本堤、東浅草、清川等)にも、事業用不動産の需要が広がっています。区内では価格水準が低めのエリアで、採算がとりやすいと判断されているようです。

 
 

4b6be93bb065e93c1108074bbfe50ca0b_s浅草から南へ、蔵前そして浅草橋へと向かう一帯も、需要が年々高まっています。

浅草や上野へのアクセスが良く、その他地域への公共交通の便も良好であり、特に浅草橋駅周辺は外国人に人気の秋葉原にも隣接していることから、有名繁華街ではなくその徒歩圏の周辺に宿をとって観光の拠点としようという需要にマッチした地域となっており、大きなスーツケースを各人1つずつ携えた家族旅行とおぼしき外国人グループの姿が見られます。

 

浅草橋については、こういった目的を持って到着した外国人以外に、勘違いして駅に降り立つ外国人の方も多いようです…
JR総武線浅草橋駅のホームには、

「ここは浅草ではありません。浅草へは都営浅草線へお乗り換え下さい。
なお、当駅から浅草までは、徒歩で30~40分位の距離があります」

と、丁寧な掲示がされています。

 
 

台東区西側の上野・御徒町エリアの商業地の需要も堅調で、平成31年地価公示の評価地点はいずれも1割前後の上昇を見せました。
 
 

台東区は観光都市として、東京スカイツリー開業の数年前より、観光客増加を見据え、商店街の景観整備浅草文化観光センターの設置などさまざまな取り組みをスタートさせていました。
 
区や区内事業者が蒔いた種が、時流に乗って成長し、平成の終わりにしっかり結実したように思います。
 
 
台東区の不動産に関するご相談ごとなどおありのときは、どうぞお気軽にご連絡(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)ください。

 

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FRAコンサルティング・代表鑑定士の降矢です。

平成31年地価公示で、都内商業地の上昇率トップ3が浅草エリアの地点となりました。

 

1位 台東5-4  (浅草1丁目)   34.7%
2位 台東5-28 (浅草2丁目)   24.9%
3位 台東5-5  (西浅草2丁目) 24.8%

 

この上昇の背景について、段階を追って見てまいります。
 

3a591b633383bd5ca52e2b3d75439d699a_s元・浅草寺所有地が取引市場へ
 
浅草寺はその寺社の敷地のみならず、周辺土地を広く所有しています。
浅草寺周辺の商業地は寺社から事業者が土地を借りて商売をしている、という借地が多いエリアです。

 
その借地関係について、この2、30年の間に少しずつ変化が生じています。
土地を手放すことに慎重な姿勢であった寺社が、長年の契約関係に引きずられた安い賃料しか得られない土地であるのであれば、借地人に売却してもよしと考え、その一方で借地人の中にも安い賃料はいいがずっと借地を続けるよりはやはり土地を所有をしたい、と思う人が出現し、地主である寺社とその借地人との間で土地売買が成立するケースが出てきていました。

 

そういった元・寺社からの借地人の所有地が、地価が上昇している中で相続などをきっかけにさらに第三者へと売り出されるケースも見られるようになって、土地取引が極めて少なかった浅草の一等地周辺で土地取引の厚みが増しつつあります。

 
訪日外国人旅行者数の底堅い増加傾向

訪日外国人旅行者数は平成24年(東京スカイツリー開業の年です)以後、増加を続けています。

平成24年  8,358,105人
平成25年 10,363,904人
平成26年 13,413,467人
平成27年 19,737,409人
平成28年 24,039,700人
平成29年 28,691,073人

(日本政府観光局調査による確定人数)

平成30年の訪日客数については、新聞報道によれば3119万人に達した模様です。
政府が掲げる4000万人の目標に向けて、種々の施策がこれからも展開されていきます。
 
 
3b185d5b795c309775109f0ee0766cdca_s浅草および周辺における事業者の高い事業意欲
 

前述の訪日客の動向等をふまえ、ホテルや飲食、物販等の事業者は、東京オリンピック以後も観光客は増加を続け、浅草周辺の商業ポテンシャルは高まるものと予測し、浅草エリアの不動産需要を強めています。

スカイツリーの開業が起点で東京オリンピックがゴール、のような一時的な浅草ブームによる土地需要増でないことは、オリンピックの宿泊需要には間に合わないホテル用地取引が2018年の間に多々あったこと、浅草寺周辺からより外側へと土地需要・地価上昇が波及していること、などから見てとれます。
 
 
 
以上の状況を踏まえ、浅草の地価上昇はいよいよ本物で、中長期的なトレンドであろうと広く認識されるようになったことが、今般の高い上昇率の背景にあります。
 
浅草周辺の個別の土地に関するご相談ごとなどがございましたら、どうぞお気軽にご連絡(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)ください。

 

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不動産鑑定士の降矢等です。

平成31年地価公示の発表を受け、台東区について解説してまいります。

 

台東区は東京23区のほぼ中央に位置しています。面積10k㎡少々と23区の中において最小ですが、江戸時代より商工業の中心地の一つとして、人口と産業が高度に集積しており、上野や浅草をはじめ、古い歴史や伝統、豊かな文化を誇る商業のまちとして発展してきました。

 

地価公示では区内にきめ細かく多数の商業地の評価地点が設定されています。

 
2f57a216fc1bb9409c2abe07eed2df4a7_sそんな台東区を代表する商業地といえば、浅草です。

年々存在感を高めている外国人観光客にとって、浅草は東京観光の起点。
浅草寺の雷門の写真は、東京を、もっと言えば日本を、象徴するビジュアルとなっています。

商業地としての浅草は低迷していた一時期もありましたが、東京スカイツリーが開業した平成24年ごろに地価は底を打ち、以後上昇を続けてきました。

 

平成30年7月1日時点の地価を調査した東京都の地価調査では、浅草から上野方面への回遊傾向の高まりにより、過去1年間で15%前後のプラス変動と、地価上昇に弾みがついていることが確認されました。

 

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そして、このたびの平成31年1月1日時点の地価公示で、浅草エリア一等地は率にしてプラス25%~35%程度と、さらに顕著な地価上昇となりました。

次回ブログではこの地価上昇の背景を探ってまいります。

 
浅草エリアの地価変動のより詳しい推移についてなど、台東区の土地価格についてのご質問がございましたら、お気軽にお電話(03-3626-5160 土・日・祝日もお受けします)でご連絡ください。