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不動産鑑定士・降矢等です。

 

夏の始めに「土砂災害の3分類&危険を見分ける4つのステップ。そして危険の取り扱いについて。」とのタイトルで記事を書きましたが、その後、夏~秋にかけて、豪雨や地震といった大きな災害が全国で相次ぎました

 

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東京都内、それも23区内であっても 3種類の土砂災害(がけ崩れ、土石流、地滑り)のうち、がけ崩れ発生するおそれのある場所が数多くあります。

 

今年に入って東京都は新たに数百ヵ所土砂災害(特別)警戒区域を指定しています。

 

 

 

本日は、土砂災害についての前回記事の続編として、土砂災害(特別)警戒区域の指定がなされた場合、それを不動産鑑定評価にどう反映するかについて、評価上のポイントをお示しした上でモデルケースを用いてご説明をいたします。

土砂災害の3分類&危険を見分ける4つのステップ。そして危険の取り扱いについて。」をご一読の上、以下をお読みください。

 

 

1.土砂災害防止法「土砂災害(特別)警戒区域」の指定と不動産鑑定評価

 

まず、不動産鑑定評価での「土砂災害(特別)警戒区域」を含む土地評価について原則的考え方をお話します。

 

1-1. 「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」の違い

 

土砂災害防止法』は、土砂災害のおそれのある箇所を明らかにして、住宅などが新しく建てられることを抑制し、警戒や避難の体制を整備するといったソフト対策を推進することを目的として制定された法律です。

 

この法律で規定する「土砂災害警戒区域」(イエローゾーン)は、土砂災害が発生した場合、住民の生命・身体に危害が生ずるおそれがある土地の区域で、災害情報の伝達避難が早くできるように区市町村により整備が図られます。

 

土砂災害特別警戒区域」(レッドゾーン)は、イエローゾーンのうち、建築物に損壊が生じ、住民の生命・身体に著しい危害が生ずるおそれがある土地の区域で、一定の開発行為の制限居室を有する建築物の構造規制が義務づけられます。

 

 

1-2. 土地について「警戒区域」「特別警戒区域」の指定がされていることは”マイナスの個性”か?

 

警戒区域(イエローゾーン)  ・・・”マイナスの個性”ではない

 

「警戒区域」は、土砂災害の発生に備えて避難体制整備が必要な区域、として指定されています。

したがって、もともと急傾斜のがけ地に近い一帯の土地については、この地域的特性を考慮の上で価格が形成され、不動産取引されています。
言いかえると、地域相場に「警戒区域」該当の事情がすでに織り込まれていることになります。

ですから個々の土地の評価の際にあらためて「警戒区域」指定の事実をマイナスの個性として取り上げて反映(減価)することはしません。

 
 

なお、「警戒区域」指定は購入検討者にネガティブな印象を与えるかもしれないので価値のマイナス要因…というご意見もあるかと思います。

しかしこの事実をどの程度ネガティブに捉えるかというのは人それぞれに様々ですので、鑑定評価で減価項目には入れません。

同じネガティブ印象につながり得る事実でも、自殺のあった土地のように明らかに瑕疵ある事情とは区別をします。

 

 

特別警戒区域(レッドゾーン) ・・・”マイナスの個性”となる

 

「特別警戒区域」に指定された土地部分は、土砂災害が発生した場合に、建築物に損壊が生じ、住民の生命・身体に著しい危害が生ずるおそれがある土地の区域、で災害発生時に被害を受ける蓋然性が高いです。

そのため、万が一がけ崩れが発生した場合に土石に耐える建築構造とすることなど、その土地の利用に際して具体的(費用支出を含む)制約が発生します。

よって、「特別警戒区域」の指定はその土地についてマイナスの個性と言え、土地価格について減価の検討が必要となります。

 

 

1-3. 「特別警戒区域」の指定がある土地のマイナスの個性のとらえ方

 

「特別警戒区域」について、発生が予測される土石流等に対して建物が押しつぶされないための具体的な構造基準は、建築基準法に基づく政令で以下のように定められています。

 

①基礎

 ・基礎と一体の控え壁を有する鉄筋コンクリート造の壁

②構造耐力上の主要な部分

 ・崩壊土砂の衝撃を受ける高さ以下にある構造耐力上主要な部分は、鉄筋コンクリート造とすること

③外壁の構造

 ・急傾斜地に面する外壁は,崩壊土砂の衝撃を受ける高さ以下の部分を鉄筋コンクリート造の耐力壁とすること

 ・この場合において,当該外壁に作用する衝撃力の強さに応じ,外壁の厚さや鉄筋の配置を定められたものにすること

④適用の除外

・国土交通大臣が定める方法による構造計算によって崩壊土砂の衝撃に対して安全であることが確かめられた場合

・急傾斜地と建築物の間の位置に鉄筋コンクリート造のへいを設置する場合

・その他国土交通大臣が定める安全上適切な措置を講ずる場合

 
 

「特別警戒区域」内では、上記規定に則り、通常の建築物以上の耐力性ある構造としなければならない分、建築費がよりかかります。

この建築費等の増額支出相当など、指定のない土地に比べたマイナスの個性を金額換算したもの(土地の価値減少分)にあたると考えられます

 
 

ここで注意しなければならないのは、下図のように画地全体に対し、指定を受けた土地がどの程度を占めているかという点です。

図2
 

その状況に応じて合法的な建物の配置や構造が大きく異なってきますので、土地価格の減少の程度も当然に幅が生じます。

たとえば、Aの指定区域のケースでは、指定外の土地が大方を占めています。
となると、建物の配置を工夫すれば門、塀等の構造強化で対応可能な場合があります

一方、Bのように画地の過半が指定区域となっているケースでは、建物自体の構造強化が求められます。
よって建築費が相対的に高くなる分、土地価格により大きな減価が生じます。

 

 

 

2.評価モデルケース:土地の一部が「特別警戒区域」に指定されていた場合の減価率の算定

 

次に、1.で指摘した事項について、過去の評価事例を元にしたモデルケースに数値を入れてご説明します。

 

2-1. ケース設定

23区内にある住宅街の45㎡の更地。

前面道路を隔ててがけ地あり。

土地のうち前面道路と接する2㎡(長さ5m、幅40㎝)は「特別警戒区域」に該当し、その部分以外は「警戒区域」に該当する、前記1.1-3.にあげた図で、Aのようなケース。

「特別警戒区域」の指定がない場合のこの土地価格は5,000万円

 

 

2-2. 法令への対応

本件では、建物自体の構造強化より、前面道路側(がけ地と建物の間)鉄筋コンクリート造のへい(耐力性ある強化塀)の設置が妥当と判断。


 

2-3. 減価率の算定

強化塀の設置の費用は120万円と算定。

120万円(設置費)÷5,000万円(土地価格 )= ▲2.4%(①)

設置する塀により1階部分の日照・通風に影響が生じることとなる。

その分市場性の減退が生じるので、この市場性減価について▲5%(②) と査定。
①と②を掛け合わせ(相乗積)、「特別警戒区域」に指定されたことによる減価率を次のとおり算定。

1 - {(1-0.024)×(1-0.05)} ≒ ▲7.3%

 

2-4. 減価率の妥当性の検証

東京都主税局は固定資産税(土地)の評価において、以下の画地補正率(各土地の状況に応じた補正率)を採用している。

 

付表20「土砂災害特別警戒区域補正率」

土砂災害防止法により土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定された宅地については、同法により特定開発行為の制限、建築物の構造規制等が行われることを考慮し、補正を行うものです。

なお、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)は、レッドゾーンにおいて生じる制限等がないため、補正の対象外としています。

図1

 
 

モデルケースの場合、2㎡÷45㎡≒0.04であるから、上記表にあてはめると減価率は0%となるが、これを一つの目安とした上で、費用性と快適性の両面から算定した減価率▲7.3%が対象土地において鑑定評価上は妥当であると検証・確認した。

 

 

さいごに
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土砂災害(特別)警戒区域の指定がある土地について、鑑定評価で用いる具体的手法(減価率の求め方)ついて書きました。

 

ご参考としていただけましたら幸いです。

 
記事内のモデルケースはあくまで一例です。

 

個別土地の土砂災害リスクを反映した価格評価につきましては、お問い合わせフォームまたは、お電話(03-3626-5160)にてお気軽にご相談ください。

 

東京都区部第5分科会・鑑定評価員(幹事)を務めさせていただいております降矢等です。

平成最後の地価公示(平成31年1月1日時点)に向けて、業務の密度が濃くなってきました。

※はじめてブログをお読み下さる方は、以下関連記事をご参照ください。
 

【関連記事】

ズバリ、地価公示・地価調査って? 生活への影響は?
 地価公示と地価調査の違い
東京都、(公的)不動産の鑑定評価では19グループに分かれます


FRA代表鑑定士 降矢等の仕事 ~東京都区部第5分科会(台東・墨田・江東)・鑑定評価員
FRA代表鑑定士 降矢等 の仕事 ~東京都区部第5分科会(台東・墨田・江東)・幹事

 

来週に幹事会、続いて分科会と会議を控えております。

 

1224244平成14年度より地価公示鑑定評価員となり、平成28年度からは東京都区部第5分科会の幹事を仰せつかるようになりました。

 

平成最後の地価公示は、私にとりまして18回目の地価公示であり、幹事をさせていただくのは4回目です。

 

同じ分科会の方々の多大なご協力と、スタッフの支えがあって、ここまでくることができました。
いつもありがとうございます。

 

 

1月1日時点の土地価格を鑑定評価するものですから、クリスマス~年末年始の期間が評価の佳境の時期と重なるのがこの仕事の特徴です。

そのため、クライアント様への年末年始のご挨拶訪問がままならず申し訳ないです。
また、家族の理解に感謝しております。

 

時代は移っても、地価公示業務が、”不動産鑑定士ができる社会への貢献の基本”ということに変わりはないと私は思っています。

今後も微力ながら力を尽くしてまいります。

 

 

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不動産鑑定士・伊藤由美子です。

現金のやりとりなしに決済を行うキャッシュレス

現在日本でのキャッシュレス比率は20%程度だそうです。

 

 

これまで私たちの多くは、日本人としての自国の暮らしにおいてキャッシュレス生活を強く望むことはありませんでした。

 

ATMがあちこちにあって必要なときには簡単に銀行口座から現金が手に入り、治安が良好ゆえ安心して現金の持ち運びができます。

ニセ札に悩まされたり、現金のやり取りではおつりをごまかされるのではないか・・・という心配もしていません。

 

キャッシュレス比率はアメリカ中国だと50%前後とのことですが、これらの国では上記条件が揃っていないがゆえキャッシュレスが進んできたという面があったことでしょう。
日本人は便利と安全をきわめた、誇れる社会を作れていた、といえるかもしれません。

 

しかし・・・いよいよ私たちもキャッシュレス社会到来へ覚悟を決めなければならない時期にきているようです。
政府は現在20%程度であるキャッシュレス比率を、2025年には2倍の40%に引き上げることを目標に掲げています。

 

私たちも一旦海外に出るとキャッシュレスというのはありがたいと思います。

ますますの増加を期待する訪日外国人観光客の消費意欲に水をささないよう、彼らにとって快適なキャッシュレス環境を整えなければなりません。
 
また、キャッシュレスにより削減されるビジネスコストや、購買履歴をデータ化しITを駆使することで新しいビジネスチャンスを生み出すことにも目がむけられています。

 

 

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夏の終わりに富士エリアに行ったのですが、富士急行線河口湖駅では外国人の多さに驚きました。

【関連記事】
別荘が変わった! ステータスシンボルから、避難拠点へ!?

 

富士急行のプレスリリースによれば、月間乗降客数の約半数が外国人という月もあるほどなのだそうです。

 

 

 

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特に、中国人の割合が圧倒的に高く、富士急行は昨年から中国のスマホ決済大手・テンセントと組んで、中長期的に富士山麓エリア全体のキャッシュレス化を推進中とのこと。

 

【ご参考】

観光産業専門のニュースメディア・トラベルボイスに富士急行の取り組みについての詳しい記事があります。

”中国モバイル決済「WeChat Pay」が訪日市場で急拡大、富士急と強力タッグで挑むスマート遊園地から地域のキャッシュレス化まで取材した”
 
 

西に目を向ければ、先月初め、JR九州をはじめとする九州の主要企業が参画し、中国企業のアリババが事務局を務める「九州キャッシュレス観光アイランド推進コンソーシアム」が発足しています。
 
このコンソーシアムの目指すところは、九州全域にキャッシュレス決済インフラを整備し、中国などインバウンド観光客の誘致と域内消費を最大化することです。
 

域内キャッシュレス化の進捗度合が、地域の商業の浮沈にかかわり、地価を動かすようになる… このような目線でもって今後の各地域の動きに注目していきたいと思います。

 

 

余談ですが、今から4年前、アメリカ旅行で驚きのキャッシュレス体験をしました。

サンディエゴの街で、現地でしかできないような体験をしたい(最近の訪日外国人の方と同じくコト消費志向です(*^_^*))と思い、インターネットで見つけた「Sand Castle(砂のおしろ作り)」レッスンを申し込みました。

 

SD 146当日はインストラクターの女性と砂浜で待ち合わせました。

レッスンを受け、終了後にその場でお支払い… 写真のようなお店などない状態です。

当然現金で払うことになると思っていましたが、彼女のスマホからの通信によってクレジットカード支払いができました。

 
 

今は日本でも無店舗状態でカード決済OKとなってきましたね。

 

この記憶からも、1、2年もすれば今までとは全く違う支払い光景が日本に広がっているのかもしれないなぁ、と思います。

 

 

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伊藤です。

 

展覧会のご紹介、最後は東京にテーマが絞られたものではありませんが…東洋文庫ミュージアムで開催中の「大・地図展―古地図と浮世絵」です。

 

東洋文庫1東洋文庫は、アジア全域の歴史と文化に関する「東洋学」の専門図書館・研究所です。

 

約90年におよぶ歴史を有するアジア最大の東洋学センターとして世界5指の1つに数えられています。

 

東洋文庫は古今東西の地図史料も収蔵しており、今回の展示会では日本で制作された江戸時代のものを中心とす古地図の逸品を見ることができます。

 

 

 

本展覧会の詳細チラシがこちらでご覧になれます、展覧会概要は以下です。

 

 


 

★「大・地図展―古地図と浮世絵」展★

 

◇会期 平成30年9月15日(土)~1月14日(月・祝)

◇会場 東洋文庫ミュージアム(東京都文京区本駒込2-28-21)

◇展示時間 10:00~19:00(毎週火曜日と12月30日~1月2日は休館)

(入館は閉館30分前まで)

◇観覧料 一般900円ほか

 


 

 

地図は不動産鑑定と切っても切り離せない存在ですが、仕事で日々接する現在の地図から古地図の世界へと関心を拡げていく鑑定士は多いです!

 

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先月7日に開館7周年を迎えた東洋文庫ミュージアム。

 

こちらの館内の美しさ・非日常性は都内で屈指だと思います。

 

ブログトップに写真をつけたオリエントホールの静謐な佇まい、左の写真のモリソン博士の蔵書が床から天井まで並ぶ圧巻の書棚の迫力… 東京の慌ただしい日常にちょっと疲れたら、立ち寄りたい場所です。

 

 

 

 

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伊藤です。

 

いま開催中の、千代田区立日比谷図書文化館「江戸から東京へ ~江戸城無血開城から東京の新たな幕開け~」展をご紹介します。

 

皇居幕末の黒船来航から江戸城無血開城、鹿鳴館時代といわれた明治10年代までの時代に、江戸から東京へ社会や街並みがどう変化していったかにスポットをあてた展覧会です。

 

千代田区は、江戸城(皇居)や鹿鳴館といった当時の歴史の大舞台を擁しています。これら歴史遺産に関する展示もあるそうです。

 
以下、千代田区立図書館ホームページからの情報です。

 


 

★「江戸から東京へ ~江戸城無血開城から東京の新たな幕開け~」展★

 

◇会期 平成30年10月5日(金)~12月2日(日)

◇会場 千代田区立日比谷図書文化館(東京都千代田区日比谷公園1-4) 1階特別展示室

◇展示時間 平日10:00~20:00 土曜日10:00~19:00  日曜日・祝日10:00~17:00

(入室は閉室30分前まで)(10月15日と11月19日は休館)

◇観覧料 一般300円 大学・高校生200円 (千代田区民・中学生以下など、無料の場合あり)

 

 


 

11月13日(火)と11月27日(火)には、18:00から30分程度、展覧会監修者の方を講師とするギャラリートークが行われるそうです。こちらは観覧料のみで追加の費用は不要、申込みも不要で参加できます。

 

理解がグッと深まるギャラリートークへ早めに仕事を終えて滑り込み!としたいです。

 

 

 

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前回ブログで、「江戸」から「東京」へ変わって今年は150年の節目である、と話題にいたしましたが、現在、都内のあちこちで東京の歴史に触れることができる展覧会が開かれています。

 

今日より3回のブログでご紹介をしていきたいと思います。

 

1255595はじめは「東京150年―公文書と絵図が語る首都東京の歴史」展です。

 

東京の基盤が築かれていく明治初年の様相や東京の発展に尽くした人々のプロフィール、現在の東京都域が形成されてくるプロセスを取り上げた資料と絵図による展示で、東京の拡大を概観することができるそうです。

 

現在は世田谷区玉川にて開催中。

11月24日からは千代田区飯田橋へと会場が移ります。

 

 

東京都公文書館および特別区協議会の公開情報より概要をお知らせします。

 

 


 

★「東京150年―公文書と絵図が語る首都東京の歴史」展★

 

【平成30年10月23日(火)~11月20日(火)】

◇会場 東京都公文書館(東京都世田谷区玉川1-20-1) 2階展示スペース
◇展示時間 平日9:00~17:00(入場16:30まで)

 

【平成30年11月24日(土)~12月22日(土)】

◇会場 東京都区政会館(東京都千代田区飯田橋3-5-1) 1階エントランスホール
◇展示時間 平日9:00~20:30 土曜日9:00~17:00

 

いずれの会場も入場無料

 


 

東京都公文書館は、2019度中に国分寺市泉町へと移転するようです。

世田谷にあるあいだに一度足を運んでみようと思います!

 

 

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FRAコンサルティング・伊藤です。
 
明治」への改元の詔書を発せられ(新暦1868年10月23日)てから、150年が過ぎました。
 
1868年は江戸から「東京」へと改称された年でもあります。

 

NHK大河ドラマには西郷隆盛が取り上げられましたし、今年は明治維新やこれまでの150年間に思いを馳せる機会が多く得られる年となっています。

 

東京都も「Old meets New 東京150年」と銘うってイベントやPR事業などを展開してきました。

 
この都事業のメインイベントとして、本日より3日間、浜離宮恩賜庭園にて「東京150年祭」が開催されます。

 

浜離宮
東京150年の移り変わりをボーカル・アンドロイドの初音ミクと振り返るプロジェクションマッピングショーをはじめ、東京のいままでとこれからを知ることができるコンテンツブースやパネル展示、野点や伝統の技の紹介、パラリンピック競技体験など、多彩な内容で東京の魅力である「伝統と革新」を体感できるイベントだそうです。

 

 

東京都ホームページより概要を転載いたします。

 


 

★★「東京150年祭」★★

 

【日時】

平成30年10月26日(金)17時~21時
平成30年10月27日(土)9時~21時
平成30年10月28日(日)9時~21時

※いずれも最終入場は20時30分まで

【場所】

浜離宮恩賜庭園(所在地:東京都中央区浜離宮庭園1-1)

 

【メインプログラム(プロジェクションマッピング)】

刻をあそぶ 時空の旅 ~初音ミク Links Tokyo150~

上映時間・約18分。ミクにちなんで39曲の楽曲が披露されます。

<上映スケジュール>

第1回 18:30 第2回 19:10 第3回 19:50 第4回 20:30

<入場について>

入場整理券を、芳梅亭近くの出展ブースエリア内の「東京150年事業ブース」で配布します。

※整理券は、各日第1、2回 12:00~ / 第3、4回 18:30~配布を開始します。
※無料でお1人様1枚まで配布します。
※上映の曜日、時間の指定は一切受け付けません。当日分の第1回目から先着順にて配布を行い、配り切り次第、第2回目と順番に配布します。(第3、4回も同様)
※チケットに記載されている対象の上映日、時間以外の入場は不可となります。
※荒天時など、上映を中止する場合があります。

 


 

普段は公開されていない夜の浜離宮恩賜庭園を楽しむことができる貴重な機会ともなる「東京150年祭」

秋の週末、ご都合よろしければお出掛けになってみてはいかがでしょう。

 

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豊洲在住の不動産鑑定士・降矢等です。
 
前回ブログでは、豊洲市場が開業したいまの時点の豊洲について書きました。
 
豊洲市場がオープンしても街全体にその影響は及んでいない」と申し上げましたが、これはこの先も豊洲市場(豊洲6丁目)の存在が豊洲の中心エリア(豊洲1~5丁目)を変化させないという意味ではなく、これから豊洲に変化をもたらすであろう要因は市場以外にも複数あります。
 

今日は豊洲の今後にかかわる3つの要因(民間の開発事業、交通アクセス、東京オリンピック)とその影響について考察いたします。
 
 

1.民間の開発事業

 

以下地図の斜線をつけた部分が豊洲市場です。

豊洲

 

現在は市場機能が移っただけですから、観光資源といえるのはデッキや通路からの市場見学のみ。イベントの開催や場外マルシェの仮設整備などを東京都が計画しているようですが、やはり期待されるのは、民間事業者(万葉倶楽部)による千客万来施設のオープンです。

豊洲市場の敷地内の□で囲った場所に計画されている同施設は商業棟、そして温泉・ホテル棟から成り、2020年10月着工・2022年12月完成の予定です。

 

さらに、2棟の千客万来施設と道路を介し対面することとなる市場外の区画にも、2つの新しいホテルができます。

2019年春ごろ着工・2020年度内竣工を目指して清水建設が進めているホテル計画(500室超)と、大和ハウスが現在建設中の複合施設「(仮称)Dタワー豊洲」内に2019年開業予定の「ホテルJALシティ東京 豊洲」(330室)です。

2社の開発計画ではホテル以外にオフィス商業施設の開設が予定されています。

 

豊洲6丁目のみならず、豊洲2丁目の有楽町線「豊洲」駅前でも三井不動産による市街地再開発事業が施工中です。
2020年完成予定で、オフィス機能を中心に、商業施設ホテル(約230室)で構成される豊洲エリア最大規模のプロジェクトです。

 

約1.5㎞(徒歩20分弱)離れている「豊洲市場」の入口(「市場前」駅)と「豊洲の街」の中心(有楽町線「豊洲」駅付近)との間にある遊休地の開発が進んでいくことで、豊洲全体(1~6丁目)の回遊性が増せば、地域全体が底上げされることでしょう。

 

2.交通アクセス

 

2018年11月4日に環状2号線の豊洲~築地部分が暫定開通しますが、この環状2号線を中心として、都心と臨海地域とを結ぶBRT(「Bus Rapid Transit」の略。連節バス、ICカードシステム、道路改良等により、路面電車と比較し遜色のない輸送力と機能を有するバスをベースとした都市交通システムのこと)の整備が進められています。

 

交通アクセスの改善は、地域の価値を向上させます。

 

3.東京オリンピック

 

東京ベイゾーンでのオリンピックの開催は、豊洲に知名度向上や商業施設の活況をもたらしプラスに働きます。

しかし、オリンピック後の影響については、供給過剰の問題ほか反動による負のインパクトが生じることが懸念されます。

 

以上、私見ですが、豊洲にご関心をお持ちの皆さまのご参考ともなれば幸いです。
さらに、詳しいお話をご希望の場合は、どうぞお気軽に弊社にお電話(03-3626-5160)ください。

豊洲市場

 

FRAコンサルティング代表の降矢です。

 

先週の木曜日に江東区豊洲6丁目に豊洲市場がオープンしました。
この1週間、メディアは豊洲の話題で持ちきりでしたね。

 

 

 

ブログでも何度か触れておりますが、私は現在、国土交通省が毎年実施する地価公示で江東区を担当しております。
 

【関連記事】

FRA代表鑑定士 降矢等の仕事 ~東京都区部第5分科会(台東・墨田・江東)・鑑定評価員

FRA代表鑑定士 降矢等 の仕事 ~東京都区部第5分科会(台東・墨田・江東)・幹事

 

 

さらに、実は私は豊洲に住んでおりまして、公私いずれの場面でも豊洲について多くのご質問をいただいてきました。

 

いま一番多くいただくのは、
「市場ができて豊洲の街は変わりましたか?」  とのご質問ですが、

私は、
「まだ影響は出ていないと思います」  とお答えしています。

 
今日のブログでは、豊洲市場開業の影響がないと考える理由と、豊洲の街のいまについてお伝えします。

 

 
1.実は広い豊洲… 現状、市場から街への人の流れは弱い

 

1-1. 3つに分けられる豊洲

豊洲は1~6丁目までありますが、大きく3つのエリアに分かれます。

豊洲の概略図をお目にかけながら、ご説明します。

豊洲

 

まず、1~5丁目オフィスやマンションのエリア。ここが、いわゆる「豊洲の街」で、高層ビルが建ちならび商業施設が集まっています。

そして6丁目に入ると、東京ガスの所有地や学校などの施設があるエリアがあります。

そのさらに先が、市場エリアです。豊洲市場の敷地は地図の斜線部分です。

 

1-2.豊洲の人の流れ

「豊洲の街」の中心(有楽町線の豊洲駅がある、晴海通りと三ツ目通り支線が交わる交差点)と「豊洲市場」の入口(ゆりかもめ市場前駅)との間は、距離にして約1.5㎞

歩くと20分近くかかります。

 

その道なりにあるのは、東京ガス関係の施設や学校、バーベキュー施設、住宅展示場などで・・・外国人観光客が散策を楽しむような環境ではありません

 

そのため豊洲市場の観光客が豊洲の中心エリアに流入し、商況がよくなるといった現象は今のところ見られていません。

 

 

2.「豊洲の街」のいま

 

「豊洲市場開業」による影響は顕著となっていない豊洲ですが、石川島播磨重工業の造船事業廃止を受け、大規模再開発がスタートした2000年代以降、街は大きく変化し続けてきました。

 

2-1.豊洲の不動産市況

豊洲1~5丁目では、一部建築中のエリアがあるものの整然とした街区が完成し、現在の不動産市況は堅調に推移しています。

 

オフィス用途の不動産については強含みである一方、マンション用途の不動産ついては隣接する中央区の晴海、勝どき、月島エリアでオリンピック選手村の案件をふくめ住宅供給が続いていくことから、供給過剰となっていないかに注意していく必要があります。

 

2-2.豊洲のメインストリートの変化

豊洲のメインストリートはかつては三つ目通り支線でしたが、さまざまな開発が進められた晴海通り沿いがより賑やかとなり、現在では晴海通りが豊洲の中心道路となっています。

 

地価公示にもこの実態を反映し、平成29年度より従来の三つ目通り支線沿いの評価地点(江東5-16に加えて、晴海通り沿いの地点(江東5-17を新設しました。

 

場所については上記地図をご確認ください。

両地点の鑑定評価書は下記サイトでご覧いただけます。

平成30年地価公示 江東5-16 鑑定評価書 

平成30年地価公示 江東5-17 鑑定評価書

 

 

豊洲ほか湾岸エリアについて、気になる点がおありの方はご遠慮なくお電話(03-3626-5160)にてご質問ください。
 
次回ブログでは豊洲の街のこれからについて考察してまいります。


FRAコンサルティングの伊藤です。

 

先日、約270社の中小企業が出展する東京信用保証協会主催のビジネスマッチングフェア『江戸・TOKYO 技とテクノの融合展2018』に行きました。

 

 

あらゆるビジネスについて、オフィス、店舗、工場、倉庫といった不動産は欠かせないもの。
不動産鑑定評価・コンサルティングを弊社にご依頼くださるお客さまの業種は多岐にわたっています。

業務用不動産について、お客さまのビジネスの深い理解なくしては評価を進められません。

 

また、そもそも世の中の動き全般にアンテナを張っていなければ、評価の際に必ず行う将来予測で見通しをあやまってしまいます。

 

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そこで、降矢も私も、展示会や交流会にお声掛けいただいたときは、時間が許す限りお伺いさせていただくようにしております。

 
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有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)に行くことが多いのですが、今回のフェアの会場は有楽町の東京国際フォーラムでした。
入口特設ブースは、桜と人力車、そして雷門という演出がされて、ひとときお江戸気分を味わえました。

 

 

 

さて、フェアではあらゆるジャンルの幅広い情報収集に努めますが、やはり不動産に関係する目新しいサービスのブースがあると自然と足が止まります。

「一人称視点・高速再生動画によるエリア紹介サービス」

「給水管の腐食に対応し建物の寿命が尽きるまで配管交換をせずにすませるサービス」

など、さまざまなお話を聞かせていただきました。

 

 

なかでも私が一番おもしろいと思ったのは、

「ドローンによって自然災害による屋根の損傷個所を発見・点検から補修までを無料で行うサービス」です。

 

 

こちらの事業は、東京都が東京発の新しいサービス事業モデルの創出と早期の事業化を目的に選定する”革新的サービスの事業化支援事業”に昨年選ばれたのだそうです。

 

いただいた資料によれば・・・

 

ドローンを活用することにより、屋根や雨樋等を空撮し、画像解析により、自然災害で損傷した箇所を発見します。その損傷箇所を火災保険を申請し、家主様の金額負担無しで、原状回復の修理の手配を行うサービスです。

とのこと

 

サービスについてご説明下さった社長さんは、展示会前日まで自然災害が相次いだ大阪にいらして、多数の屋根被害調査を行ってこられたとおっしゃっていました。

 
お話をさせていただいた各社の皆さま、お時間ありがとうございました!

弊社でもお客さまの不動産の可能性を拡げる新しい切り口のサービスについて考えてまいりたいと存じます。

何か私どもがお役に立てることがありましたら、どうぞお気軽にお電話(03-3626-5160)にてご連絡くださいませ。