賃料評価に活用!「消費者物価指数」「企業向けサービス価格指数」

2019/03/05

 
降矢等です。

 
賃貸借している建物について、借主と貸主の間で家賃が高すぎる・低すぎる、と主張が対立したようなケースについて賃料評価のご依頼をいただいたとき、不動産鑑定士は原則として4つの評価手法を適用して、適正な賃料を鑑定します。
 
そのうちの1つに「スライド法」という手法があります。
 
この手法は、現行の賃料を決めた時点と評価したい時点とのあいだに、経済情勢がどれほど変化しているかを各種指数から「変動率」として把握、この変動率を用いて賃料評価を行うものです。
 
前記の指数として、「消費者物価指数」(総務省統計局)や「企業向けサービス価格指数」(日本銀行調査統計局)があります。
 
 
50-6-1消費者物価指数とは・・・

消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するものです。
すなわち家計の消費構造を一定のものに固定し、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもので、毎月作成しています。

総務省統計局ホームページ より

 

消費者物価指数は、国民の消費生活上重要な財の小売価格、サービス料金および家賃を全国的規模で小売店舗、サービス事業所、関係機関および世帯を毎月調査する小売物価統計調査を基礎資料として求められます。
 
例えば、”東京都心都にある事務所”が評価対象であるならば、消費者物価指数の「民営家賃・東京都区部」の数値を用います。
 
 
50-6-2企業向けサービス価格指数とは・・・

企業向けサービス価格指数は、企業間で取引されるサービスの価格変動を測定するものである。
その主な目的は、企業間で取引されるサービスに関する価格の集約を通じて、サービスの需給動向を把握し、景気動向ひいては金融政策を判断するための材料を提供することにある。
また、企業間での個々の商取引における値決めの参考指標としての機能も有している。

日本銀行ホームページより

 

同じく、”東京都心都にある事務所”が評価対象だとすると、企業向けサービス価格指数の「不動産・事務所賃貸」の数値を抽出します。
 
 
変動を正しく判断し、関係者間の納得を得るためには、ひとつの指数に頼るのではなく、できるだけ視点が異なる複数の指数を収集・分析することが大切となります。
 
 
スライド法ほかの賃料評価手法について、ご質問がありましたら、どうぞお気軽にご連絡(電話:03-3626-5160)ください。