2018/03/27
FRAコンサルティング代表の降矢等です。
昨年12月から1月にかけて、借家権の鑑定評価のご依頼を複数いただきました。
この時期に立て込んだのは、公的機関からのご依頼のように季節要因があったわけではなく偶然です。
借家権という言葉を縁遠いものと感じられる方が多いと思いますが、実は、借家権評価は年間を通して弊社にご依頼の多い類型です。
これまで私はブログで取り上げていなかったかと思いますので、この機会に少し借家権についてお話します。
「借家権」とは、「借地借家法(旧借家法を含む)が適用される建物の賃借権」です。
この権利は、通常、売買の対象となることはなく、不動産市場での取引によって価格がつけられることは原則としてありません。
賃貸人から建物の明渡し請求があり、借家人がしかたなく立退く、との状況において、借家権という権利の価格にスポットライトが当たることになります。
建物からの立退きにより消滅することになるメリットにいくらの価値があるのか、を算定するのが借家権の評価であり、借家権価格はいわゆる立退料を構成する要素の一つとなっています。
上記をふまえ、弊社に借家権評価のご依頼が増えている理由をご説明しましょう。
(1)老朽建物取壊しに伴う立退きが増えており、借家権の価格は不動産鑑定士でないとわからない
市場で取引されることのない借家権の価格の算定は、不動産鑑定士でないとできません。
借家権の価格を知る必要があるのは立退きを進める場面ですが、1960年・70年代に建てられた事務所ビルや共同住宅の老朽化に伴い、建替えに伴う立退き案件が増加しています。
(2)立退きに際してまず借家権の価格を基礎に交渉を始める当事者が多い
立退きに際して支払われるのが立退料で、その構成要素は次の3項目です。
①立退きによってテナントが支払わなければならない移転費用の補償
②立退きによってテナントが事実上失う利益の補償(いわゆる居住権、営業権)
③立退きにより消滅する利益権の補償(いわゆる借地権・借家権)
理論的には①~③を足し合わせた金額が正当な立退料ですが、当事者双方が納得すれば立退料の額はいくらであっても構いません。
不動産鑑定士にしかわからない③に比べ、①②は一般の方でもある程度の見積りができなくはありません。
そこで、賃貸借期間中の当事者の関係が良好なケースでは、費用面を考慮して、まず③の金額のみ鑑定評価で把握して交渉を開始し様子をみよう、という賃貸人・借家人の方も多いです。
もし交渉が不調となった場合には、訴訟の資料としても堪える「立退料の不動産鑑定評価書」(①~③の全てを勘案したフルバージョン)へ、と段階を踏んでいかれます。
借家権や立退料の評価は、個々の事情の漏れない考慮と高度な論理に基づく説明が求められる類型で、経験の差が鑑定評価書の説得力の差に直結します。
皆さまの立退料交渉に、弊社鑑定士の技能をお役立ていただけましたら幸甚です。
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