2019/01/22
不動産鑑定士の降矢です。
最近コンサルティングさせていただいたAさんのケースについてお話します。
都心の商業地域に土地をお持ちのAさんは、ご所有地にビルを建てることになりました。
実業家でいらっしゃるAさんはたいへんお忙しく、ビルの建設について、信頼していた旧知の建築士と施工会社に、「ベストのプランで進めてほしい」と一任しました。
迎えた竣工・お披露目の場で… Aさんは新築ビルが周囲のビルに比べてこじんまりとしていることに気づきます。
著名な建築士に建物の検証を頼んだところ、Aさんの土地では8階建てが可能なのに新ビルは6階建て、各階の床面積も建築可能な面積よりもひと回り小さく、トータルでは、最も土地のポテンシャルを活かした場合の建物の8掛け程度の規模になってしまっているとわかりました。
衝撃の事実を知ったAさんは… ビルを設計した建築士への責任追及を決意します。
検証をおこなった建築士や顧問弁護士、顧問税理士に相談したところ、皆さんそれぞれに親身に取り組んでくださったそうですが、損害額ははっきりしません。
そこで弊社にご連絡がありました。
鑑定評価で、以下のように損害額を算定しました。
<6階建ての建物>
価値:1億円
工事費:6000万円
<8階建の建物>
価値:1億4000万円
工事費:8000万円
(1億4000万円‐1億円)-(8000万円‐6000万円)=2000万円 …損害額
ここにいたるまでで、すでにAさんは各専門家とのやり取りに疲労の色濃くなっておいででした。
さらに、新ビルには施工不良があったことも判明し、事はより一層複雑に。
不動産鑑定士は、建築法規、民法、税務といった分野に精通しています。
Aさんのバックアップ・事案の全体取りまとめを、他の専門家の方々との協力体制のもとで私が担わせていただく運びとなりました。
長年の実務により培った専門知識と経験で、金額判定にとどまらないサポートをさせていただきます。
不動産トラブルに直面して事態の収拾にお困りの皆さま、どうぞお気軽にお電話(03-3626-5160)にてお悩みをお聞かせください。