2022/04/05
FRAコンサルティングの降矢等です。
前回ブログの2020年国勢調査「移動人口の男女・年齢等集計」結果に続けて、2021年「住民基本台帳人口移動報告」結果を取り上げます。
「住民基本台帳人口移動報告」 は、市町村長が作成する住民基本台帳により国内での人口の移動状況を明らかにすることを目的に、総務省統計局が作成しています。
報告では、全国、都道府県、21大都市(東京都特別区部および20政令指定都市)別、市区町村別の、転入・転出者といった移動者数が示されます。
2021年結果が集約されているサイトはこちらとなります。
住民基本台帳人口移動報告 2021年(令和3年)結果 (出典:総務省統計局ホームページ)
年間を通しウィズコロナとなった初めての年である2021年。
私は「住民基本台帳人口移動報告」の統計数値に新型コロナウイルスの影響が現れている点に注目しました。
総務省統計局ホームページ掲載の図表を引いて、3つのポイントについて皆さまと確認していきたいと思います。
① 東京圏への一極集中は変わっていない
以下グラフより、転入超過数が多いのは東京圏の都県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に集中しているとわかります。
図1 都道府県別転入超過数(2020年、2021年)
なお、3大都市圏について、東京圏の転入超過は1996年以降26年連続、名古屋圏および大阪圏の転出超過は2013年以降9年連続となっています。
図2 3大都市圏の転入超過数の推移(1954年~2021年)
② 東京都心部から周辺地域のへ転出が見られる
①の図1にある東京都の2021年転入超過数は、正確には5433人でした。
グラフからは2020年転入超過数からの激減がわかります。
超過数は、比較可能な2014年以降でみて、昨年から2年連続で減少、最少を更新しました。
東京都以外の東京圏にある県、すなわち神奈川県、埼玉県、千葉県は、2021年に2020年よりも転入超過数を伸ばしています。
また、東京圏に隣接する茨城県、群馬県、山梨県の3県は、2020年は転出超過でしたが2021年転入超過へ転じました。
下表のように、東京都特別区部(東京23区)については、今回調査で2014年以降初めての転出超過となりました。
表 21大都市別転入者数,転出者数及び転入超過数の推移(2014年~2021年)
東京都心から周縁へと向かう人の流れがおきていることがわかります。
③ 東京圏の働き盛り世代に転出の動きがある
東京圏の30~34歳は、2014年以降初めて転出超過となりました。
図3 東京圏の年齢5歳階級別転入超過数(2020年、2021年)
その30~34歳の道府県別の東京圏への転入超過数をみると、茨城県(729人)、長野県(481人)、福岡県(344人)などの25道県で転出超過となっています。
図4 道府県別にみた東京圏の転入超過数(30~34歳)(2020年、2021年)
【関連記事】2020年、地方移住の希望者は3/4が若い世代でした!
2021年「住民基本台帳人口移動報告」で明らかとなった人の移動に関する変化が、不動産マーケットに変化を及ぼしていることを現場でも実感しております。
次回ブログではそのことについてお話したいと思います。
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