2024/04/30
不動産鑑定士・降矢等です。
本日のブログでは、令和6年地価公示より 「浅草地区(東京都台東区)の地価」 を取り上げ、解説いたします。
「東京23区の商業地の地価」の状況について、国土交通省は次のようにコメントしています。
23区全体では、7.0%上昇(3.6%上昇)。23区全てで上昇率が拡大となった。
上層階のマンション利用が可能な地点を中心に上昇傾向が見られ、上昇率が大きい順に、台東区9.1%上昇(4.1%上昇)、荒川区8.3%上昇(5.2%上昇)、中野区8.2%上昇(5.2%上昇)、杉並区8.0%上昇(4.7%上昇)、豊島区8.0%上昇(4.6%上昇)となった。
土産物店や飲食店が建ち並び多くの国内観光客で賑わっていた浅草周辺(東京都台東区)では、インバウンドの回復により店舗等の需要が増加傾向にあることから、地価の上昇が拡大している。
※( )は前年変動率
出典: 国土交通省「令和6年地価公示<説明資料> 市区町村別地価動向 東京圏-商業地」
都内商業地の地価上昇率トップ5位までを浅草地区が占め、対前年変動率は17.8%~14.8%の上昇でした。
「浅草周辺では、インバウンドの回復により店舗等の需要が増加傾向にあることから、地価の上昇が拡大している」という文言について、市場参加者の心理に沿って、読み解いてみます。
インバウンドは回復し、昨今の円安傾向や内外の賃金水準差等を受けて、これからも増加します。
外国人観光客にトップクラスの人気を誇る観光地である浅草では、インバウンド向けの店舗や宿泊施設の需要も増します。
この予想に基づき、
「いまの時点で土地上の建物を貸し出して得られる賃料からすれば、ちょっと割高な価格であるけれど、将来有望な土地という期待込みで考えれば高めの価格でも良い」
「過去に周辺で成立した取引単価から、少し高い単価であっても良い」
そのように考える買い手が増え、売り手は強気になる… このサイクルが回っている状態にあります。
これが、浅草エリアでみられる地価上昇のメカニズムです。
賃料水準がどんどん上がったことで地価が上昇した、ということではない点にご留意ください。
(ただし、物価上昇による家賃上昇は見られつつあり、注意を要します。)
浅草の地価動向は、日本のインバウンド期待を象徴的に映し出しているといえます。
地価公示や地価調査について、何かご不明点がおありでしたら、どうぞ何なりとご質問ください。
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