2019/10/04
FRAコンサルティング代表の降矢です。
10月になって早まる日の入りに、秋の深まりを感じております。
2018年に続いて、2019年の夏も災害が多発し、多くの方に深刻な被害をもたらしました。
災害でお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
昨年の11月、私は水害リスクが地価に与える影響についてブログに執筆しました。
当時は、影響は大きくない、と結論づけております。
しかし、前提となる状況に変化が見られます。
同ブログに、
不動産購入者が水害の危険性をより現実的に捉えるようになった場合には、東京東部ゼロメートル地帯の土地価格と、水害が少ないと想定される地域との土地価格水準の開差が拡大に向かうかもしれません。
と書き添えましたが、いま、不動産購入者は水害リスクに敏感になりつつあります。
災害が繰り返し発生していること、行政が水害リスクの周知について一段の取り組みを進めていることにより、ハザードマップに目を向ける方が増えています。
たとえば、江戸川区が11年ぶりに改訂した「水害ハザードマップ」は、5月20日に区が公開・配付した直後より大きな話題となりました。
「ここにいてはダメです」
「江戸川区だけでなく江東5区(江戸川区・墨田区・江東区・足立区・葛飾区)はほとんどの地域が浸水します」
といった切実・強烈なインパクトを与える表現で、有事の全員避難を訴えています。
また、国土交通省も、7月26日、不動産取引業者に向けて、以下の依頼を出しています。
取引の相手方等に対し、契約が成立するまでの間に、相手方等が水害リスクを把握できるよう、当該取引の対象となる宅地や建物が存する市町村が作成・公表する水害ハザードマップを提示し、当該取引の対象の宅地や建物の位置等を情報提供していただきますようお願いします。
このような状況を受けて、不動産鑑定業界でも、”水害リスク”が新たな不動産価格を形成する要因になりえるとして、その評価における取り扱いについて議論を始めております。
議論に整理がついた際には、改めてご報告します。
ご所有不動産の水害リスクに関し、気になる点がおありの方はご遠慮なくお電話(03-3626-5160)にてご質問ください。