2015/09/11
不動産の相続が気になり始めたけれど、何から始めていいのかわからない…
そのお悩みに、ズバリ、お答えします。
まずは「不動産目録」を作りましょう。
「不動産目録」とは
- 所在地
- 権利関係(所有権・借地権・賃借権・抵当権)
- 価格
などを一覧にしたものです。
◆「不動産目録」をもとに不動産を分析
一覧にすることで、不動産の分析ができるようになります。
分析のポイントは次の3点です。
- 賃料を生むか、生まないか(収益性)
- 売れやすいか、売れにくいか(流動性)
- 問題あるいは問題のタネはないか
これをチェックしていきます。
「目録」を作成し、分析を行い、相続関係者全員が情報を共有すれば、不動産の相続対策はグッと前進します。
◆ケースで見る、「不動産目録」作成から不動産分析、そして相続対策へ
例えば、おもな相続財産は不動産、相続人は子ども3人というケース。
「不動産目録」で以下のように整理され、時価総額2億1,000万円(法定相続で子ども一人あたり7,000万円)と分かりました。
① 都市部住宅地の自宅(所有権・時価9,000万円)
② 郊外の貸宅地(所有権(複数人で共有)、借地権設定あり・時価5,000万円)
③ 郊外のアパート(所有権・時価7,000万円)
これを前記1.~3.の基準で分析します。
① 自宅・・・貸せばそこそこ賃料は見込める。売れやすい。
② 貸宅地・・・現在の賃料は低い。共有や借地権の問題から売るまでには時間がかかる。
③ アパート・・・現在の賃料は相場よりやや低い。建物リフォームをすれば賃料は上げられる見込み。ほどほどの期間で売れそう。
一つ一つの不動産の時価も性格も違いますから、各人が単純に1物件ずつを相続するということでは、平等な遺産分割とはなりません。
どのように調整するか相談して決める必要があります。
また、金融資産が不十分な場合には、納税資金の確保も考えなければいけません。
「不動産目録」で資産の全体像とその価値を”見える化”することで、相続人同士の話合いのスタートがスムーズとなるでしょう。
そして、物件の売却や有効活用、問題解決など、ご家族に合った具体的な相続対策が可能になってきます。
◆不動産鑑定士に「不動産目録」作成を依頼するメリット
この「不動産目録」の作成は、不動産鑑定士にご依頼になるのがベストです。
時価は不動産業者に聞いて、あとは自分で整理しエンディングノートにまとめれば…というのでは、後々に問題が生じないとも限りません。
複数の相続人がいる場合に、みなが納得できる遺産分割にするためには、人間関係や不動産売買・仲介の案件受注といった利害が一切ない、不動産の評価に特化した不動産鑑定会社を「目録」作成のパートナーにお選びになるのが安心です。
【不動産鑑定士に「不動産目録」作成を依頼するメリット】
1.不動産評価の専門職に漏れのない調査を行ってもらえる
不動産の価値を左右する項目は多々あります。不慣れな調査で見落としがあった場合、大きく価値を見誤ることがあります。
2.時価(評価時点の価格)に責任をもってもらえる
対価を得て不動産の価格を示す鑑定士には説明責任があります。不動産業者による無料の査定価格に責任はありません。
3.公的信頼性がある
「不動産目録」の分析で明らかになった問題には、税務署などに「不動産鑑定評価書」を提出して解決できるケースもあります。「不動産鑑定評価書」を作ることができるのは鑑定士だけです。
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