2020/10/16
東京都墨田区に事務所を構えております不動産鑑定士・降矢等です。
地価調査の価格時点・7月1日以後の都内不動産市場最新動向をお伝えするブログの第2回目です。
本日は、私の地価調査担当エリア内にある商業地【浅草地区】を取り上げたいと思います。
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訪日外国人観光客の増加を受けて、ここ数年の地価調査での商業地・上昇率ランキングでは、浅草地区の複数の基準地が上位に入っていました。
昨年の令和元年地価調査の折には、浅草1丁目にある基準地が、都内商業地で上昇率トップでした。(台東5-1・+34.5%)
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そんな浅草の商業中心地は新型コロナウイルス感染拡大の打撃を直接に受けました。
先日のブログ(令和2年地価調査(基準地価)が”わかりにくい”理由)で書きました通り、今年の3月より状況が一変しています。
具体的に、地価調査の基準地・台東5-17を分析してみます。こちらは、地価公示地・5-5と同一地点です。
場所は台東区西浅草2-13-10、つくばエクスプレスの浅草駅から徒歩2分ほど、国際通り沿いの中高層の店舗やマンションなどが建ち並ぶ商業地域の一郭にあります。
その価格の推移を追うと、昨年7月1日・156万円/㎡ → 今年1月1日・180万円 → 今年7月1日・160万円
変動率は、昨年7月1日~今年1月1日は15.4%の上昇、今年1月1日~7月1日は11.1%の下落、です。
昨年7月1日と今年7月1日という2時点だけ見れば「2.6%上昇した」となりますが、上述のように、直線的な変化ではなく大きな上がり下がりを経た結果として得られたのが今回の価格です。
突然の環境急変は、外国人観光客で賑わっていた浅草商業地全体、また、他の外国人に人気の高い都内商業エリアが共通して受けた試練となりました。
さて、そんな浅草エリアの最新状況ですが、日本人観光客の姿が戻ってきています。
浅草~東京スカイツリーの間に、6月、新しい観光スポットもオープンしており、外国人観光客がいなくて落ち着いているいまのうちに浅草を楽しもう、と考える人たちが、政府のGo To Travelキャンペーンの東京発着解禁や、Go to Eatキャンペーンの開始を受けて、足を運んでいるようです。
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休日などはかなりの人出で、満席となる飲食店も見られます。
ただし、感染防止対策として多くの店舗は席数を7割程度に減らしているため、コロナ禍以前の収益回復には至っていません。
訪日外国人占率が高かった宿泊施設には、まだ営業再開できていないところもあります。
本来の活気溢れる浅草の姿を回復し、それが地価に映し出される日がくることを願っております。
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