2020/10/02
不動産鑑定士・降矢等です。
1989年の制定後はじめて改正された土地基本法が本年4月1日に施行されて、半年が経ちました。
改正は、2月4日の「土地基本法等の一部を改正する法律案」の閣議決定に基づくもので、この30年間の不動産を取り巻く国内環境の変化が整理されたものと受け止め、注目しておりました。
施行時にブログの話題として取り上げるつもりでしたが、新型コロナウイルスのことがあって機を逸してしまいました。
施行半年となったところで、土地基本法についてお話させていただきます。
30年前も今も、国が土地政策で目指すところは ”国民生活の安定向上・国民経済の健全な発展”です。
しかしバブル時代の1989年と、人口減少時代に入った現在では、直面する土地政策上の課題がさま変わりしています。
制定当時は、地価高騰が大問題で、国民の住宅取得や国の社会資本整備に困難が生じていました。
現在は、地域人口の減少によって、地域の活力の低下やその持続可能性が危ぶまれるようになっています。
かつては適正な地価形成を歪めるほどの需要増大に対して投機的取引を抑制することが求められました。
いまは、良き地域形成につながる土地の需要を創出・喚起して、土地の適正利用、適正取引とともに適正管理を確保することが必要です。
そこで、土地基本法について、
・土地所有者等の土地の適正な「利用」「管理」に関する責務(登記等権利関係の明確化、境界の明確化)を明らかにし、
・国・地方公共団体の講ずべき施策について土地の適正な「利用」「管理」を促進する観点から見直しがなされ、
・土地政策全般の政府方針として「土地基本方針」が創設される
こととなりました。
「土地基本法等の一部を改正する法律案」の詳細および「土地基本方針」については、以下の国土交通省ホームページをご覧ください。
なお、「土地基本法等の一部を改正する法律案」では、地籍調査の円滑化・迅速化のための国土調査法等の改正も決定されました。
次回ブログでは、このもう一つの法案の柱について触れてまいります。
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