2016/11/01
不動産鑑定士・伊藤由美子です。
企業不動産の評価、事例紹介の2回目です。
個人所有の一棟マンション(区分所有建物)を、会社所有へと移す、という案件ですが、兄弟間売買の要素も含んでいました。
都内の高級住宅地にある地下1階付き4階建のマンションは、評価ご依頼があった時点で、会社を経営する兄とその弟の共有物件。
会社と社長との売買のために一棟マンションの時価を評価すると同時に、兄が弟の持分を買い取るための持分評価を行う必要がありました。
さらにこのマンションの低層階の一部は事務所仕様です。
持分比率を出すための適正な階層別・用途別の効用比の判断が本件の評価上の重要ポイントで、以下のように段階を踏んで進めました。
まず、1階を基準階として階層別効用比=100と設定し、地域の標準的な実質賃料単価比や分譲単価比等を参考に、他階の効用比(70~120)を査定しました。
特に対象物件が住宅需要がメインとなる高級住宅地域にあることに着目し、高級住宅地としての価格形成要因を丁寧に分析しました。
次に、1階の一住宅を基準用途として用途別効用比=100と設定し、その他各戸について、用途の違いによる収益性、規模・方位等の個別性を勘案して、効用格差(30~130)を判定していきました。
こうして求めた効用比をもとに、兄が67.895%、弟が32.105%の持分であると算定し、一棟マンション価格、兄の持分価格、弟の持分価格を決定しました。
ご兄弟にも税務当局にもご納得いただけて、第三者による公正妥当な評価としてお役に立つことができました。
高い説明力を長年の公的評価経験で培ってまいりました↓
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