2017/07/21
FRAコンサルティング・伊藤由美子です。
前回ブログまで、「中古」「環境」「耐震性」をキーワードに、住宅と事務所ビルのトレンドについてお話してきました。
今日は、この3つのトレンドを鑑定評価にいかに反映していくか、具体的にみていきます。
まず、耐震性能の重視は、国民の間で広く共有される価値観となるに至っています。
ですから、鑑定評価でも「耐震性」は常に評価項目に上がります。トレンドと評価目線は一致しており、耐震性の不足は減価要因です。
つぎに、「中古不動産」のうちとくに木造住宅、事務所ビルのうち「環境不動産(環境性能が高く持続可能なマネジメントがなされている不動産)」は、国が私たちに価値観の転換を訴え、評価を変えていこうとしている不動産です。
政府は「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会を目指しています。
これから作るものは、環境まで考えたいいものを。
今あるいいものは、その価値を認め、手入れをして、長く使う。
一個人としてこの方向には深く共感します。
しかしながら、不動産鑑定士としての評価目線には、こうあるべきだから、との感情が入り込むことのないように注意しています。
不動産鑑定士とは、取引市場になりかわる存在。
取引市場で成立するであろうありのままの価格(市場価格)を求めることが、使命です。
そのため、築20年超だけれどまだ使える木造住宅だ、と自分自身は感じても、その物件に価値を認める市場参加者がほとんど見込めないと判断すれば、建物価格を低く、廃材の価値程度にしか評価できません。
環境認証を取得した事務所について、省エネ性能の高さが水道光熱費の安さとしてダイレクトに反映することはあります。
しかし、環境不動産ということでテナントの引き合いが強まる、通常ビルより高い価値を認める(高い賃料を払う)テナントがついてくる、とならない限り、競争関係にある他の事務所ビルと比べて明らかな高評価とすることはありません。
古いものに価値を認める、地球環境を気遣うといった価値観をもつ方は、若い世代を中心に増えてきていますが、広く一般的価値観となったとまでは言えません。
トレンドの広がりはどれほどのスピードで進むのか… 市場参加者への浸透度をつど見定め、評価へ反映してまいります!
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