不動産鑑定士が解説! 『不動産情報ライブラリ』について

2025/06/17

不動産相場、地域情報を調べるなら、まずはこのサイト

不動産の価格、地域の状況についての情報が欲しい。


そのような場合には、まず国土交通省が運営するウェブサイト「不動産情報ライブラリ」をご覧になることをお勧めします。

登録やアプリのダウンロード不要で、価格、地形、防災、周辺施設、都市計画、人口など、幅広い情報を入手できます。

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出典:国土交通省ウェブサイト

取引価格データが見られる「価格情報検索」機能

不動産情報ライブラリで特に便利なのが、不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード機能です。

・国土交通省がアンケート調査により取引当事者から収集した取引事例情報
・指定流通機構(レインズ)が保有する不動産取引価格情報

がデータベース化されており、地域や時期、不動産の種類などの条件から検索可能です。

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出典:国土交通省ウェブサイト

土地やマンション等の価格相場の把握に、これほど手軽で信頼性の高い情報源はなかなかありません。

不動産の購入や売却、相続の準備など、さまざまな場面で役立つサイトです。

注意点:不動産情報ライブラリからわかるのは「参考価格」

ただ、ここで皆さまにご注意いただきたいのは、不動産情報ライブラリが提供しているのはあくまで”参考情報”だという点です。

国土交通省も注意を呼びかけています。

※不動産の取引価格は、面積や形状、前面道路の状況などの個別の要因によって変化することはもちろん、同一の不動産であっても、取引の行われた事情などにより、価格が異なることがあります。本情報をご覧になる際には、これらの点に十分ご注意ください。

出典:国土交通省ウェブサイト

取引価格・成約価格事例から浮かび上がる価格相場は、あくまで統計的・平均的な傾向にすぎず、個々の不動産の「適正価格」そのものを示すわけではありません。

不動産情報ライブラリでは対応できないケース

例えば、以下のような不動産は、不動産情報ライブラリの情報だけで価格を把握することは困難です。

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【ケース①】商業系の事業用建物

商業系の事業用建物は、個別性が強い上に、不動産情報ライブラリに搭載されている事例数が住居系に比べると少ないです。

取引事例との比較よりも、得られる収益に基づき導かれた価格のほうが、説得力は高くなります。

【ケース②】借地権や底地

借地権(建物の所有を目的として他人の土地を借りる権利)や底地(借地権が設定された土地の所有権)の価格情報は、不動産情報ライブラリに直接的には掲載されていません。

不動産情報ライブラリにある各種情報に加えて、地域性や契約条件などの個別情報を収集・反映することで、適正価格が求められます。

【ケース③】隣地

隣地売買により一体となった土地の利便性や価値が高まるケースでは、その増価分を考慮した価格が適正な価格となります。

一般の市場価格とは異なる判断が必要です。

不動産の「適正価格」は、不動産鑑定士にご相談ください

不動産情報ライブラリは、不動産の市場動向を知る上で非常に便利なツールです。不動産に関心がある方、不動産取引・資産整理を考えている方にとって、まず確認すべきサイトといえるでしょう。

しかし、サイトから把握できるのは相場であって、個別不動産の「適正価格」ではありません。

特に、権利関係が複雑な不動産、特殊な不動産については、特有の条件を整理して論理的に価格を導き出すことが求められます。

そうした場面でお役に立てるのが、不動産鑑定士です。

価格算定の根拠やプロセスについての詳しい説明とともに、適正価格をご提示いたします。

不動産情報ライブラリを活用しても解決できない不動産価格のお悩みについては、弊社の不動産鑑定士にお気軽にご相談ください。

皆さまの大切な資産についてのお困りごとを、専門的知見でサポートさせていただきます。

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