2025/05/22
公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会が発行する広報誌『鑑定のひろば』では、不動産鑑定に関する話題を幅広く取り上げております。
最新号(第230号)に、特に皆さまにお薦めしたい記事がありました。
不動産鑑定評価の具体的な活用方法やそのメリットを不動産鑑定士がわかりやすく解説する、記事の一部を引用いたします。
暮らしのどのような場面で不動産鑑定評価が皆さまのお役に立つのか、ぜひご確認ください。

【相続・係争関連による評価】
不動産は他の金融資産や動産と異なり、簡単に分割・換価ができません。そのため、遺産分割や財産分与、各種係争事件において分割対象が不動産である場合、不動産を取得する者としない者の均衡を得るためには、不動産を取得する者から取得しない者への対価として金銭を交付することになります。不動産の取得者は、その不動産の価格が安価であれば、支払う対価も安くなります。当然、不動産を取得しない者は不動産価格が高い方が良いことになります。このように利益が相反する場合、公平・中立な不動産鑑定評価によって、その「定価」を定める必要があります。
【事業承継を見据えた評価】
中小企業では、創業代表者の不動産を事務所などとして会社で使用していることが多くあります。後継者(特に親族)への事業承継を行う際に、そうした不動産を個人から会社に売却することで、安定した企業基盤を築いた承継に寄与します。また、代表者の金融資産の安定化も図れます。その際、任意の価格や固定資産税評価額での売却は、利益操作の可能性が生じることから税務署の追及を受ける可能性があります。不動産鑑定評価書を売却価額決定の資料として添付することでそうした危険を回避できます。
【資産流動化のための評価】
本体とは別法人の資産管理会社(不動産会社)を立ち上げ、そこに関連会社や代表者所有の不動産を売却し、当該資産管理会社から各社に賃貸するケースがあります。その際、資産管理会社は銀行から融資を受けて不動産を購入するため、不動産購入を通して融資金を間接的に各社へ配分することとなり、資金の流動化が促進されます。ここでも相続・係争関連と同様の理由で鑑定評価が有用です。
【契約の見直しのための評価】
地代や家賃の改定に鑑定評価を活用することもあります。バブル期に設定された地代の契約では、今では考えられませんが、数年ごとに地代を増加させる契約も見受けられます。また、昭和初期などでは、米何俵に酒何升という契約や現在の固定資産税にも満たないような些少な額の地代契約もあったようです。これを過去~現在の契約改定に推移や当事者家間の事情を踏まえた上で適正な地代(継続地代・継続家賃)を評価します。
このほか、固定資産税の課税標準額妥当性検討のための鑑定評価や企業の時価会計での鑑定評価、不動産の証券化に対して行う鑑定評価など、鑑定評価の利用者の利益になる手法を提供することが可能です。
出典:日本不動産鑑定士協会連合会 広報誌『鑑定のひろば』230号
このように不動産鑑定評価は、公平性や合理性の確保、そして資産の保全に重要な役割を果たします。
弊社では、四半世紀以上にわたり、相続や事業承継、賃貸借契約見直し、資産流動化、地代・家賃交渉等の場面で、お客様の多様な不動産評価ニーズにお応えしてまいりました。
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