不動産鑑定士・伊藤由美子です。6月もあと少し、梅雨明けが待ち遠しいですね!
先日打合せがあって横浜へ行きました。
みなとみらい線「日本大通り」駅で下車しましたが、この地区は横浜の中でも一番好きなエリアです。
歴史ある建築物の多い、公的機関が多く集まるビジネス街ですが、東京のビジネス街に比べ、落ち着きと文化的な雰囲気があるように思います。
駅名にもなっている日本大通りは、日本初の西洋式街路という由緒ある通りです。
日本大通りは、R.H.ブラントンの設計により明治3年にほぼ完成、同8年に命名された日本で初めての西洋式街路です。この日本大通りは、神奈川県庁や横浜開港資料館、横浜郵便局、旧商工奨励館、旧市外電話局、横浜地方・簡易裁判所、三井物産横浜ビル、旧関東財務局など、重要な施設の立ち並ぶ街路であり、明治時代には、人力車や車が行き交う街のメインストリートとしての役割を果たしていました。
日本大通りを少し歩くとそこは大桟橋。
大桟橋は前回の1964年東京オリンピックのときに、5隻のホテルシップが停泊した場所です。
横浜市は昨日、2020年オリンピックでも横浜港でホテルシップを実施すると表明しました。
オリンピック期間中は、多くのお客様が日本大通りの散策を楽しまれることでしょう。
あいにく私が訪問した日は雨がしとしと降っていて散策とはいきませんでしたが、地下鉄駅直結の横浜情報文化センター内にあるカフェ・ドゥ・ラ・プレスでランチをしながら、大通りを眺めました。
横浜情報文化センターは関東大震災の復興事業として横浜市が建設した旧横浜商工奨励館です。
カフェは写真の通りのクラシカルで優雅な空間で、美味しい食事がいただけておススメです!
横浜市の案件を多く承っております↓
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不動産鑑定士として、日々気に掛けている埋蔵文化財。
世田谷区立郷土資料館の展示会「遺跡調査速報展 低地の縄文集落と横穴墓」にて、外環道(東京外かく環状道路)・東名ジャンクションの予定地で発掘された品々を目にする機会を得ました!
旧石器時代~中近世の集落跡(中心となるのは縄文時代)である田直遺跡からは、旧石器時代の土器、縄文土器、石器、土製品、須恵器、陶磁器などが出土していました。
15000年という想像が及ばない昔にこのあたりに住んでいた人たちがいて、彼らが使っていた品々を介して過去と今がつながる…
こうして書いているブログも含め、万事がデータ化へと向かっている現代ですが、形あるモノの持つパワーを感じました。
合計17基の横穴墓が発掘された古墳時代の殿山横穴墓群については、区民による保存活動運動を受け、3号墓だけは現状保存されることになったそうです。
出土品は、人骨のほか、直刀、須恵器、管玉、切子玉の数々でした。
左の写真は、3号墓から出土したという切子玉は思わずその美しさに目を奪われました。
ここはデパートのアクセサリー売り場?と錯覚してしまいそうになるシックな3点。
まじまじと眺め続けてしまいました。
世田谷区では、多摩川の水と緑に恵まれた自然条件のもと、約35000年前から人々が生活していたそうです。
そんなはるか彼方の生活の一端を見せてくれる埋蔵文化財。
土地開発と保護のバランスを保ちつつ、埋蔵文化財が今後も守られ、存在し続けてくれればいいなと思います。
外環道が周辺不動産及ぼす影響を注視しております↓
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昨日のブログで、埋蔵文化財の存在は、金銭的・時間的負担があるかもしれない点で土地の価値にとってリスク要因であるとお話しました。
ですから、不動産鑑定評価に際しては、必ず対象土地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するか否かを確認し、結果を鑑定評価書に記載します。
埋蔵文化財包蔵地の所在・範囲の把握は、地域に密着して埋蔵文化財の状況を適切に把握することができる市町村教育委員会が行うこと、とされています。
実務的には、役所の代表番号に電話し、「周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するかどうかを知りたいのですが」と言うと、担当部署につないでもらえます。
そのまま口頭で確認が済むこともありますし、場所を特定した地図のファックスを求められ、図面確認後に先方から回答がくることもあります。
もちろん役所窓口に出向いたならばその場で確認してもらえます。
上記の方法が最新の詳細な情報を取ることができる間違いのない方法ですが、東京都内の不動産についてインターネットでも周知の埋蔵文化財包蔵地が公開されています。
鑑定評価対象の土地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当した場合、ご依頼目的を踏まえ、試掘調査等が行われることによる時間的費用性を勘案し、鑑定評価を行います。
埋蔵文化財についてさらに理解を深めたい方は、文化庁のサイト(埋蔵文化財)をご覧ください。
詳細な物件調査に基づき鑑定評価をいたします↓
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埋蔵文化財の存在が知られている土地を、文化財保護法では「周知の埋蔵文化財包蔵地」と呼びます。
「周知の埋蔵文化財包蔵地」は全国に約46万ヶ所あり、毎年9,000件程度の発掘調査が行われています。
文化庁『埋蔵文化財関係統計資料-平成28年度-』で発掘調査費用の推移をみると、1997年までは右肩上がりでしたが、その後は減少傾向にあります。
日本経済の低迷によって民間開発も公共事業も勢いをなくし、文化財の発掘・保護に影響が及んだ模様です。
周知の埋蔵文化財包蔵地で土木工事などの開発事業を行う場合、事業者は都道府県・政令指定都市等の教育委員会に事前の届出等をすることが文化財保護法によって定められています。
開発事業の届出等を受けて、教育委員会はその取り扱い方法を決めます。
協議の結果、遺跡を現状のまま保存できないとの判断に至った場合には、事前に発掘調査を行って遺跡の記録を残します(記録保存)。
この経費については開発事業者に負担が求められます(原因者負担原則)。
ただし、個人が営利目的ではなく行う自宅の建設など、調査経費の負担を求めることが適当でないと考えられる場合には、国庫補助等の公費実施がなされる制度があります。
発掘調査経費を民間で負担!? と驚かれる方も多いでしょう…
加えて、発掘調査が終わるまでの期間は事業を開始することができず、時間的損失も生じてしまいます。
埋蔵文化財は歴史の解明に資する私たちにとって貴重な共有財産ですが、所在する土地という不動産の金銭価値にはマイナスをもたらしてしまう可能性があるのです。
不動産が内包するリスクについて、丁寧にご説明させていただきます↓
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FRAコンサルティング・伊藤です。
突然ですが、外環道・東名ジャンクション予定地で、古墳時代の遺跡が発見されたことをご存じでしょうか?
外環道(東京外かく環状道路)は、都心から約15㎞の地点で放射道路を相互につなぎ、首都圏の渋滞緩和、環境改善や円滑な交通ネットワークを実現する重要な役割を担う道路として整備が進められています。
総延長約85kmのうち、現時点で約34kmが開通済み。
関越道から東名高速までの約16㎞の区間が現在事業中ですが、東名高速と接続する東名ジャンクション(世田谷区大蔵5丁目)の工事地にて、2015年6月~7月、偶然17基もの横穴墓群(殿山横穴墓群)が見つかったのです。
考古学でいうところの「遺跡・遺構・遺物」は、”地中に埋まっている文化財”ということで、文化財保護法では「埋蔵文化財」とよばれます。
開発事業にともなう埋蔵文化財の発掘調査について、文化庁『埋蔵文化財関係統計資料-平成28年度-』をみると、調査費用総額に占める事業種別の割合では道路事業が全体の過半となっていました。
殿山横穴墓群については、2015年8月~10月まで発掘調査が実施され、人骨のほか副葬品の数々(鉄製品、装身具、須恵器など)が出土しました。
2018年4月~5月、この殿山横穴墓群と、同じく東名ジャンクション工事で発見された田直遺跡(旧石器時代~中近世の集落跡)からの出土品の公開展示が世田谷区内であり、足を運びました。
不動産鑑定士にとって、実は「埋蔵文化財」はとても身近なもの。業務の上では日常用語です。
けれども、鑑定の仕事を初めてからその現物を意識的に目にしたのは、今回が初めてかもしれません。
「埋蔵文化財」に関して、本日より数回ブログをお届けしてまいります。
開発事業に伴う鑑定ニーズにお応えしてまいりました↓
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不動産鑑定士・伊藤由美子です。
先月の初めに愛知県の蒲郡(がまごおり)市に行きました。
三河湾に面する蒲郡市は、本州のほぼ中央に位置する風光明媚で温暖な海辺の街。
農業・水産業・工業にも特色がありますが、4つの温泉街(蒲郡、三谷、形原、西浦)を有する県を代表する観光都市として著名です。
そんな蒲郡市、宿泊施設のバラエティが街のこれからを面白くしそうです。
◆蒲郡クラシックホテル
1934年に蒲郡ホテルとして開業した、アールデコ様式の格調高いホテル。
当時の鉄道省より第1回国際観光ホテルに指定され、現在は経済産業省が認定する「近代産業遺跡」ともなっています。
写真右奥の高台に立つ城郭風の特徴ある建物で、春は桜、初夏にはつつじが咲き誇る日本庭園も秀逸です。
◆変なホテル
2017年の夏にオープンしたエンターテインメントホテル。「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に認定されました。
フロントにはお父さんティラノサウルス、チェックインカウンターではお母さん、子どもティラノが出迎えてくれる、”変わり続けることを約束するホテル”です。
複合型マリンリゾートのラグーナテンボス内に立地するこのホテルでは、最先端の体験ができます。
◆ラグーナベイコート倶楽部 ホテル&スパリゾート
2019年3月にリゾートトラストが開業を予定する、総事業費310億円の会員制高級リゾートホテルです。
コンセプトは「Futuristic Luxury」で、 近未来のオアシスがイメージされています。
全室スイートルーム仕様となっています(客室面積48.59㎡~129 .24㎡)。
会員権価格は800万円~3,400万円と高額ですが、販売好調とのことです。
蒲郡市では平成26年に外国人観光客が急増し(対前年比3倍超)、その後も増加が続いています。
家族旅行、女子旅、富裕層旅行、訪日旅行等々… 幅広い旅行需要に応える蒲郡にポテンシャルを感じます!
名古屋圏の物件のご依頼も承っております↓
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代表鑑定士の降矢です。
前回の「内覧できない」と同じ建物の鑑定評価での困りごとに「資料がない」があります。
建物の鑑定評価では、評価対象となる建物を物的に正確に把握しなければなりません。
実務では並行して権利状況も見ていきますが、今日は物体としての建物の確認・確定に関わる資料不備について考えてみます。
モノとしての建物の数量、状態を把握するためには下記に挙げた資料が集まれば集まるほど理想的であるといえます。
①(法務局)登記簿
②(法務局)建物図面
③(所有者)設計図書
④(所有者)建築確認申請書/確認済証
⑤(所有者)検査済証
⑥(役所)建築計画概要書/建築台帳記載事項証明書
⑦(役所)道路台帳
⑧(役所・事業者)水道管管理図、下水道台帳、ガス管埋設図
⑨(所有者)固定資産税納税通知書・課税明細書/固定資産税評価証明書
※( )内は入手元
①登記簿は、未登記建物でない限りほぼ入手することができます。
しかし、②~⑥は建物が古い、依頼者が所有者ではない、といったさまざまな理由で、入手不能もよくあります。
これら資料のなかでは、特に③設計図書(建築物の施工に必要な図面類と仕様書の一式)が有益です。
私どもはどのような条件下においても、ベストの結果をお客さまにご提示できるように努めております。
手を尽くしても登記簿しか資料が手に入らない、との状況下での評価は過去に何度かありました。
固定資産税課税明細書だけを頼りに、評価したこともあります。(鑑定評価ではない価格査定扱いですが。)
各資料の入手方法をお問い合わせ下さった方にお伝えしております。
建物の鑑定評価をお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
さて、ありがたい設計図書がある場合でも、私どもは気を緩ませることなく、現地調査には最大限の注意をもって臨みます。
というのも、設計図書にある図面は新築当時の情報。
現地調査の時点で、増築・改築・用途変更等がなされていないか、見落としのないよう実物と資料とを照合しなければなりません。
不動産もさまざまですが、評価の前提条件もさまざまです。
厳しい条件であっても臨機応変に対応し、依頼者の方はもとより、広く一般にご納得いただける鑑定評価に今後も取り組んでまいります。
建物の価値を適正に評価いたします↓
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FRAの降矢です。
鑑定評価では、対象となる不動産について必ず実地調査を行います。
対象不動産に建物が含まれるときには、建物内部の調査(内覧)も必須です。
しかし、例えば対象不動産が賃貸マンションであれば、賃借人の方が、面識のない他人から「鑑定評価のため部屋を見せて下さい」と突然言われて、プライベートな空間への立ち入りを了承できるかといえば難しい。
店舗や事務所、事業所といったケースでも、なぜ忙しい中で訪問を受けねばならないのか、とテナントさんが内覧に抵抗感をもたれることがあります。
裁判所による競売のための評価の場合は、賃借人の方に強く内覧への協力を要請してもどうしても了解が得られないときは、民事執行法に基づいて強制的に内覧を実施することが可能です。
財務省など官公庁による公売のための鑑定評価でも、賃借人に協力を強く要請します。ただし内覧の強制実施はできません。
民間における鑑定評価では、前記した賃借人の方の心情を踏まえ、内覧への協力要請は慎重になるのが一般的です。もちろん強制実施はありません。
依頼者側に、鑑定評価を行っている事実を賃借人に知られたくない、内密に鑑定をしてほしい、という希望がおありのこともあります。
依頼者や賃借人の事情から、賃貸中や営業中の建物内部について実地調査が行えない場合には、その部分について合理的な推定を行います。
推定には、以下に基づく情報が有用となってきます。
・仕様や管理状況等が内覧できない区画とほぼ同一である、あるいは内覧できない区画の推測に役立つと判断される、オーナーの使用区画や空室区画の実地調査
・竣工図面の確認
・賃貸借契約書(添付図面等)の確認
・管理者からのヒアリング
・賃借人からのヒアリング
・外部からの観察
こういった情報の収集と分析、その後の推定には、鑑定士としての経験・力量による差がはっきりと出ます。
手前味噌ですが、数千件の物件と向き合ってきたベテラン鑑定士として「見えないところを見る」技能には自信があります。内覧が難しい不動産もどうぞお任せ下さい。
…ここで一つ余談です。
私が新人鑑定士のころ、先輩鑑定士と担当したマンション一室の競売案件で、どうしても賃借人の方と連絡がつかず、内覧の強制実施に至ったことがありました。
現地に到着し、裁判所執行官の方ともども幾度も呼び鈴を鳴らし、ドアの前から声を掛けましたが、部屋からは無応答。
では…と鍵開け業者さんに鍵を開けてもらいました。プロの手にかかると、鍵は驚くほどあっけなく開きます。
そして一同で室内に入ったところ…賃借人の方が就寝中…でした。
鑑定の仕事は奥が深く、そしてドラマにも満ちています。
皆さまの大切な建物のお話をお聞かせ下さい↓
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降矢等です。
不動産鑑定評価の現場での「困りごと」について、2・3月ブログに続き、またいくつか書いてまいります。
弊社は都市部の鑑定事務所ですが、山林の評価ご依頼もいただいております。
山林は固定資産税が非課税になっているケースが珍しくありません。
固定資産税の免税点である課税標準額30万円未満に該当する、保安林の指定を受けている、といった山林は課税されないのです。
このような事情もあって、相続の場面よりも売買に際しての評価ご依頼が多く、山林の売却あるいはその検討段階にある所有者の方より適正時価についてお問い合わせを頂戴しております。
山林というと売れ難い不動産の代表のようですが、「売って欲しい」との話がくることがあります。
例えば、発電事業者からの申し入れです。
少し前には太陽光発電のためのソーラーパネル設置場所、最近はバイオマス発電の木材燃料供給源として、山林に価値が見い出されています。
また、他の不動産と同じように隣地所有者からの売却打診が入ることもあります。
さて、ここからが本題です。
対象不動産が山林である場合、対象不動産の「確定」と「確認」が鑑定評価における一番の難所です。
登記簿や公図が古い場合は、実態との乖離があることが当たり前。
相続で所有権を得たような、当該山林に馴染みがない依頼者の方は、所有者といえども地境など正確な場所をご存知ありません。
鑑定士が現場に入って調査をしても、国道・県道沿いなど官-民の境界は推定ができても、民-民の境界はわからないまま、という事態にしばしば陥ります。
民-民境界は、隣地所有者の方と連絡・調整がつき、対象不動産所有者との同時立会いで、境界を確認・確定できれば理想的です。しかし、現実には調整がつかないことがほとんどです。
そもそも山(対象不動産)に立ち入ることが一切できないことすらあります。
こういった「確定」「確認」の困りごとへの対応は、ご依頼の直後、受託審査段階での事前調査が肝要となります。
依頼者ご提示資料の検討、関係者・役所等への電話ヒアリングなど、机上での調査を念入りに行います。
そこで対象不動産についての事実関係が不分明と分かったとしても、地境等の確定すべき事項について、「調査範囲等条件」「想定上の条件」を付すことが可能であるか否かを判断します。
条件設定ができるとなったら、さらに事前調査を進めた上で現地に赴き、実地調査で対象不動産を「確認」します。
その後、対象不動産の内容や付すべき条件を最終的に「確定」させます。
なお、対象不動産が法的・物的にはっきりしない状況で、「調査範囲等条件」や「想定上の条件」の設定も不能と判定される場合には、ご依頼をお引き受けすることが困難になることが考えられます。
些細に思われる情報が、不明事項の解明につながることがあります。
ご面談時は、手書き図・聞き書きメモなどもお持ちください。
山林・林地・立木・森林・原野の評価を承っております↓
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代表鑑定士の降矢です。
先日、伊藤が『不動産鑑定士になる前のこと』について書いておりましたが、私も職歴を少々振り返ってみようと思います。
早稲田大学理工学部工業経営学科を卒業後、私は食品メーカーに就職しました。
大学では、機械・電気・物理・建築等の理系科目の基礎に触れたあと、経営・管理を学び、3・4年次にはまだ珍しかったコンピューターを使用して統計学・人間工学を研究するゼミにおりました。
”もっとも文系に近い理系”といった雰囲気の学びの場に身を置くうちに、「テクノロジーをマネジメントで活かす」ことに関心を抱くようになっていたのですが、入社した会社では生産管理部門に配属されて、営業から商品の製造・流通といったビジネスの全段階にかかわることができました。
本社と工場のそれぞれの場で生産管理を担当しました。
私が新人社員となったのは、NECの「PC-9800シリーズ」が発売された年です。パーソナルコンピューターが世に出てきたのです。社会が大きく変わろうとしていました。
その後もコンピューター技術が急速な進化を見せる中、次第にいま一度コンピューターと向き合いたい思いが強くなり、20代後半にさしかかった頃、情報システム部門の募集があった大手印刷会社に転職しました。
と書くと一直線に事を進めたようですが、実は独立開業といった生き方が漠然と意識に上りはじめてもおりました。
趣味の音楽にかかわることで独立できないか(例えば、スタジオ経営)を考えてみたりも…
印刷会社の情報システム部では、社内の各部門のニーズを汲む業務システム作りに没頭しました。
日々の仕事と家庭生活(2児の父となっていました)に目まぐるしい毎日を過ごし、30代に入りました。
そしていよいよ今につながる転機を迎えます。
たまたま立ち寄った書店で目にした雑誌に、「不動産鑑定士」の資格が紹介されていたのです。
親が賃貸不動産経営をしており私にとって不動産は身近なものだったのですが、不動産鑑定士という職業を知ったのはこのときが初めてでした。
記事を読んで、不動産鑑定士はこれまでの自分の人生での学びや経験の全てが活かせる天職だ!と胸が熱くなりました。独立開業の道も開けます。
家内の理解を得て、鑑定士試験への挑戦を決めました。
試験勉強に専念する方も多いのですが、私は実務経験を積みながら試験合格を目指す道を選び、再開発コンサルティングや競売評価等を多く手掛ける不動産鑑定会社に入社しました。
これが30年近く前のことです。
その後、資格を得て自分の鑑定事務所を興し、お陰さまで独立から今年で20年になります。
不動産鑑定の世界に入ってからの30年、お客さまをはじめ、諸先輩、スタッフ、多くの方々に支えていただきました。
経験・知見の全てをもって鑑定業務のひとつひとつに誠心誠意取り組み、皆さまへのご恩返しに努めてまいります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
一期一会を大切にしております↓
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