不動産鑑定士・伊藤由美子です。

前回まで、広島の再開発、 ”新しいものへと変える” 話題をお届けしてきましたが、本日は、金沢の ”古いものへと戻す” 動きについてのブログです。
 
前田家の城下町として発展した金沢市は、旧町名の復活に力を入れていることで知られています。
 
昭和37年に合理的な住居表示の制度について必要な措置を定めた 『住居表示に関する法律』 が制定され、所在をわかりやすくするための町名の整理・統合が全国で進められました。
 
このときに金沢でも藩政期に由来する由緒ある町が、範囲の大きな町へと組み込まれていきました。

このときに失われた町の名前が「旧町名」です。
 
旧町名復活の目的を、金沢市はコミュニティの再生としています。
 

旧町名は、その土地の歴史を刻み、人々の営みや情景を映すかけがえのない貴重な歴史的文化資産です。旧町名やその町の歴史を学び知ることによって、私たちの町と郷土への誇り、そして、愛着を新たなものとし、住民同士の交流とまちづくりに活かしていくことは、よりよいコミュニティを推進していく上で重要であると考え、金沢市は旧町名復活を推進しています。

金沢市ホームページより

 
 
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1999年金沢市において全国ではじめての旧町名復活が実現。

尾張町2丁目の一部となっていた浅野川沿いの江戸期以来の茶屋街が、旧町名の 主計町(かずえまち) に戻りました。

前田利家の孫を妻とした加賀藩士の富田主計(とだかずえ)の邸地であった歴史ある土地だそうです。
 
 
 
以後、現在まで市内で25の旧町名が復活を果たしています。

詳しくは、金沢市ホームページ 「旧町名の復活」 をご覧ください。
 

金沢は古都としてインバウンド人気も高い都市ですが、旧町名は対外的なブランディング効果を発揮し集客増にもつながったそうです。
 

なお、東京都では2018年に千代田区において、旧町名の 神田猿楽町 神田三崎町 が復活しました。

それぞれ一度は取り外された冠称「神田」が、地域住民の要望によって戻りました。
 
 
新たな魅力を打ち出すのか、旧き良きを大切にしていくのか。
 
向かう方向性は逆となっても、その土地の強みを見極め、志をもってまちづくりに取り組む姿勢が大切なのだと思います。
 
 
 
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