FRAコンサルティング・伊藤由美子です。
 
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もう一冊書籍をご紹介したいと思います。

ジャック・アタリ 『食の歴史 ~人類はこれまで何を食べてきたのか』

著者のジャック・アタリ氏は、フランス大統領顧問や欧州復興開発銀行の初代総裁など欧州で要職を歴任してきた、“欧州最高峰の知性”とも呼ばれる方です。
 
 
前回ブログで取り上げた料理教室を舞台とした小説も食欲を刺激する本でしたが、猿人から現代までの食の歴史さらに未来予想を提示した本書には、よりダイレクトに食について考えさせられました。
 
前書きで、アタリ氏は、このように指摘しています。
 

飢餓の状態になく、経済的に余裕があるのなら、世界中のほとんどの人々は、健康的な食事を他者とゆっくり分かち合いたいと思っているはずだ。誰もが料理が好きであり、食事に招待したい、そして招待してもらいたいと願っているだろう。食事を共にすることで会話は弾み、しばしば重苦しい日常に安らぎのひと時が訪れる。
しかしながら、ゆっくりと食事をとる機会は世界中で減る傾向にある。

 
本当に、食事というのは、ただ生存に必要なエネルギーを得るというところに留まらず、人と人とを結びつけて幸福にしてくれるものですね。

それなのに、現代人の多忙に加えて、新型コロナウイルス禍のもとで会食は制限され、食事の喜びを分かち合う機会は激減した現状…

安心して多くの方とテーブルを囲むことができるようになる日が待ち遠しいです。
 
 
命をつなぐ食を得るために欠かせない資源として、土地が人々にとっていかに重要な意味を持つ存在であるか、さまざまに綴られている文章が目を引きました!
 

これら二つの河川は定期的に氾濫した。周辺地域では、土壌が肥沃になり、森林には多くの獲物が棲み、河川にはたくさんの魚が泳いでいた。ヒトは食糧を探し求める旅にあまり出かけなくなった。

農業と牧畜が始まったことにより、人々のイデオロギーも変化した。恵みをもたらす大地に感謝するようになったのである。

肥沃な地域の畑の周辺に集落が形成された。それまで土地の所有権は墓地だけに限定されていたが、集落の形成によって、この権利は一般化したと思われる。

 
 
「食は歴史の中核に位置する重要な人間活動なのである。未来を理解し、未来に働きかけるには、食に関するあらゆる難問に答えを見出さなければならないのだ」 アタリ氏は訴えます。
 
飽食の時代といわれる一方で、飢餓に苦しむ人たちが取り残され、誤った食習慣で健康が損なわれている現状を個人としてどのように改善していけばよいのか?

こういったテーマについて考えたい方や、食べることがお好きで今の食の起源について深掘りたいという方にとって一助となる大著かと存じます。お手に取ってみて下さい。
 
 
よろしければ、飲食店を舞台にしたFRAのオリジナル鑑定ストーリーも、ご一読下さいませ!

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