FRAコンサルティング代表の降矢等です。

更地価格を求める手法のうち、取引事例比較法についてご説明します。
 
取引事例比較法は、不動産の市場性に着目した手法です。

まず、対象地と用途が同じであるなど、地域としての条件が一致してひとまとまりであると考えられる地域(近隣地域)の範囲を判定します。

そして、その近隣地域内で、標準的だと思われる画地の条件(用途や面積、間口奥行など)を見定め、標準的画地を設定します。
 
 
r8a70f930a6f1aa845fd952bc5ee141_s次に、例えば弊社のある錦糸町のような市街地では、多くの土地取引がなされ、取引市場が形成されていますので、評価対象土地と似ていてライバル関係にあるとみられる土地が実際に取引された事例をできるだけ多く集め、その中から3~5程度の事例を選定します。

選定した取引事例それぞれについての近隣地域(対象地の属する近隣地域に対する類似地域と言えます)を判定し、それぞれの地域の標準的画地を想定します。
 
 

取引事例地とその属する近隣地域(類似地域)の標準的画地の比較

類似地域の標準的画地と近隣地域の標準的画地の比較

近隣地域の標準的画地と評価対象土地の比較

 
と、手順を踏み、その過程で取引に関する特別事情や取引年月日についての補正や修正も加えつつ、取引事例の価格から評価対象地の価格を導いていきます。
 
採用した取引事例の数だけ評価対象地の価格候補が得られますので、最後に、得られた複数の価格候補について類似性や信頼性の面から吟味をして、最終的な取引事例比較法による評価対象地の価格を試算します。

以上により、試算された対象土地の価格は、比準価格と呼ばれます。
 

最終的な対象土地の鑑定評価額は、この比準価格と他の手法によって求められた価格とを、評価のために採用した資料の精度や評価過程の説得力の違いによって重みづけして、決定します。
 
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