伊藤由美子です。

2019年5月1日、神戸市の人口(1,524,749人)が川崎市の人口(1,526,630人)を下回り、神戸市は20ある政令指定都市の人口ランキングで6位から7位になりました。

神戸市の人口は2011年の1,544,970人をピークに、以後減少が続いています。

政令市のランキングで福岡市に抜かれて5位から6位となったのは2015年のことで、今回さらにランクを落とした格好です。

神戸に何が起こったのでしょうか…?

 

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海があって、山がある神戸。

高度経済成長期からバブル経済期には、経済の活況を背景に、山にニュータウンを開発し、海を埋め立てて人工島を作り市街地を拡大してきました。

山麓には農園や牧場もあり、三宮周辺の都心部のほかに、多様な地域を抱えています。

 

独自の魅力を放ってきた神戸ですが、バブル崩壊、阪神大震災と困難に見舞われました。

そして震災の復旧・復興に追われる中で人口減少社会を迎え、対策を取りきれないまま、「大阪・京都・神戸」の関西三都のなかでまちの勢いの低下が顕著となってしまいました。

 

震災から来年で25年が経ちますが、この間、大阪では数多の再開発事業が施行され、京都にはインバウンドが押し寄せるようになりました。

一方、神戸は都心部の開発や交通利便性の改善について課題を残し、マンションや商業施設の開発が進んだ大阪市ほか周辺他市への人口流出を防げなくなっています。

 
危機感を強める神戸市は、市の中心部と北部とを結ぶ北神急行電鉄を市営化して料金を値下げを進めようとしており、中央区役所の移転など都心部の活性化を目指す各種施策にも取り組んでいます。

三宮中心市街地にオフィスや商業施設の集積を進め、2020年度にタワーマンションなど大規模マンションの建設を抑制する条例を施行させることで、都市機能を保ち、ベッドタウン化は避けたい考えです。

 
震災前に中学生・高校生、震災後には新卒社会人として、私は多感な時期を神戸で過ごしました。

三宮で勤務したころは忙しくてあまり街を楽しめませんでしたが、中高生のころは三宮、元町、神戸、ポートアイランド、六甲アイランドと、友達とあちこちで歩き、そのどこもが当時はキラキラしていました。

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関西の友人に話を聞けば… 買物や食事には大阪へ行き、神戸に出掛けることは少なくなってしまった、といいます。

ふたたび神戸が往時の煌めきを取り戻してくれることを願ってやみません!

 

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