不動産鑑定士・降矢等です。

先月のブログで、「東京空き家ハンドブック」の発行など、空き家となった戸建て住宅についての東京都の対策についてご紹介しましたが、東京都はマンション空き家の対策も進めています。

この3月「東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例」が制定されました。

本日から3回のブログで、この条例について取り上げてまいります。

 
まず、条例制定の背景について解説をいたします。
 
東京都都市整備局の調査によれば、2017年末の時点で、東京都内にある分譲マンションの戸数は約181万戸。
100万戸超となったのは、2002年のことです。

分譲マンションの建設は1970年代に本格化し、2000年代の初めの大量着工を経て、2011年以後は毎年4万戸程度の着工となっています。

東京、特に中心都区部では、マンション住まいが一般的な居住形態となっています。

かくいう私もマンション住人です。
 
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東京に限ったことではありませんが、年々築年が経過したマンションが増え、そのような築古マンションを新築当時に購入した居住者は高齢化しています。
 
東京都はこれを「二つの老い」の進行ととらえ、「老い」がマンションの管理不全に結びついてしまうと、周辺環境に深刻な影響を及ぼす恐れがある、と懸念しています。
 

 
 
 
実際に、高齢の住人が亡くなりマンション住戸の相続が発生した際、その部屋が「空き家」となるケースは多くあります。

「空き家」を多数抱えてしまったマンションが、管理・修繕の計画実行、管理組合理事の確保が難しくなって、老朽化するに任せてしまっている事態が現実となっています。

 

こういった状況をふまえ、すでに豊島区や墨田区が適切な管理によって良質なマンションストック形成を目指す条例を施行しています。

都道府県として初めて、同趣旨の条例を制定したのが東京都となりました。
 
 

なお、マンション空き家を防ぐ相続対策として、鑑定評価をご利用いただくことができます。

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