不動産鑑定士の降矢等です。

前回、前々回のブログで、不動産評価の収益還元法で用いる還元利回り(キャップレート)とはどういうものか、をお話してきました。

今日は、実際の評価で還元利回りをどのように算定しているかご紹介したいと思います。
 

まずは調査からです。

 

女性買い物バッグ

①地域調査

地域ごと・用途ごとに、標準的不動産についての還元利回り(あるいは賃料÷不動産価格で求める表面利回り)の水準、または還元利回りの、が形成されています。
 
評価する不動産のある地域の調査を行い、その水準・幅を掴みます。

 

 

②事例調査

評価する不動産と同種で競争関係にある収益用不動産の取引事例を集め、還元利回りを把握します。

 

③不動産投資家調査

一般財団法人日本不動産研究所の「不動産投資家調査」をはじめ、信頼できる調査報告を参照して、基準となる還元利回りを把握します。
 
 

①~③の調査からわかる還元利回りについて、対象不動産の諸条件に応じたリスク反映を施します。
 

そして①~③の違ったアプローチによって得られた還元利回りそれぞれについて説得力の高低を見極めて総合的な判断を行い、対象不動産の還元利回りを決定します。
 
 

お客さまにお出しする書面にこれら調査の過程をどこまで詳しく記載するかはご依頼いただいた評価の種類やケースにより異なりますが、評価結果を左右する還元利回りについてご納得いただけるまでしっかりとご説明をさせていただきます。
 

不動産鑑定評価に関して何かご不明な点がおありの方は、ご遠慮なくお電話(03-3626-5160)にて弊社不動産鑑定士にご質問ください。