豊洲在住の不動産鑑定士・降矢等です。
 
前回ブログでは、豊洲市場が開業したいまの時点の豊洲について書きました。
 
豊洲市場がオープンしても街全体にその影響は及んでいない」と申し上げましたが、これはこの先も豊洲市場(豊洲6丁目)の存在が豊洲の中心エリア(豊洲1~5丁目)を変化させないという意味ではなく、これから豊洲に変化をもたらすであろう要因は市場以外にも複数あります。
 

今日は豊洲の今後にかかわる3つの要因(民間の開発事業、交通アクセス、東京オリンピック)とその影響について考察いたします。
 
 

1.民間の開発事業

 

以下地図の斜線をつけた部分が豊洲市場です。

豊洲

 

現在は市場機能が移っただけですから、観光資源といえるのはデッキや通路からの市場見学のみ。イベントの開催や場外マルシェの仮設整備などを東京都が計画しているようですが、やはり期待されるのは、民間事業者(万葉倶楽部)による千客万来施設のオープンです。

豊洲市場の敷地内の□で囲った場所に計画されている同施設は商業棟、そして温泉・ホテル棟から成り、2020年10月着工・2022年12月完成の予定です。

 

さらに、2棟の千客万来施設と道路を介し対面することとなる市場外の区画にも、2つの新しいホテルができます。

2019年春ごろ着工・2020年度内竣工を目指して清水建設が進めているホテル計画(500室超)と、大和ハウスが現在建設中の複合施設「(仮称)Dタワー豊洲」内に2019年開業予定の「ホテルJALシティ東京 豊洲」(330室)です。

2社の開発計画ではホテル以外にオフィス商業施設の開設が予定されています。

 

豊洲6丁目のみならず、豊洲2丁目の有楽町線「豊洲」駅前でも三井不動産による市街地再開発事業が施工中です。
2020年完成予定で、オフィス機能を中心に、商業施設ホテル(約230室)で構成される豊洲エリア最大規模のプロジェクトです。

 

約1.5㎞(徒歩20分弱)離れている「豊洲市場」の入口(「市場前」駅)と「豊洲の街」の中心(有楽町線「豊洲」駅付近)との間にある遊休地の開発が進んでいくことで、豊洲全体(1~6丁目)の回遊性が増せば、地域全体が底上げされることでしょう。

 

2.交通アクセス

 

2018年11月4日に環状2号線の豊洲~築地部分が暫定開通しますが、この環状2号線を中心として、都心と臨海地域とを結ぶBRT(「Bus Rapid Transit」の略。連節バス、ICカードシステム、道路改良等により、路面電車と比較し遜色のない輸送力と機能を有するバスをベースとした都市交通システムのこと)の整備が進められています。

 

交通アクセスの改善は、地域の価値を向上させます。

 

3.東京オリンピック

 

東京ベイゾーンでのオリンピックの開催は、豊洲に知名度向上や商業施設の活況をもたらしプラスに働きます。

しかし、オリンピック後の影響については、供給過剰の問題ほか反動による負のインパクトが生じることが懸念されます。

 

以上、私見ですが、豊洲にご関心をお持ちの皆さまのご参考ともなれば幸いです。
さらに、詳しいお話をご希望の場合は、どうぞお気軽に弊社にお電話(03-3626-5160)ください。