仕事に加えプライベートでも親の不動産資産管理を手伝っております、不動産鑑定士・降矢等です。
 

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ある程度の年齢となり、相続対策資産整理をしたいが、どの不動産を手放し、どの不動産は所有を続ければいいのかがわからない…
 

不動産を複数ご所有の方にはこんなお悩みをお持ちの方が少なくありません。

 

責任感の強い方ほど、納税資金の確保、相続人の管理能力、といったことを考えて、ご自分の代で不動産資産をしっかり整理したいとのお気持ちになるものですね。

 

 

いざ相続が発生し急場しのぎの対応となっては、申告期限の10ヶ月後までに現金を作らなければとの焦りから、

 
・相場よりも安値で不動産を売却してしまった…
・不動産に詳しくない相続人が資産価値の高い不動産を手放してしまった…

 

そんなもったいない状況が起きかねません。
 
 

1. 問題あるいは問題のタネはないか
2. 賃料を生むか、生まないか(収益性)
3. 売れやすいか、売れにくいか(流動性)

 

この3つの視点から分析することで、不動産の資産価値を正しく見きわめ、手放すべき不動産所有を続けるべき不動産の選別をすることができます。

 

1.~3.は不動産鑑定士が、すべての鑑定物件についてかならず確認・評価をする項目です。

 

3つの視点で進める分析・選別の手順について、ご説明します。

 

 

1.問題あるいは問題のタネがないかをチェック

 

まず、その不動産に何かしら問題あるいは問題のタネがないかを確認します。

例えば…

 

・共有状態である
・借地権が設定された土地である
・立退き交渉をしなければいけない賃借人がいる
・隣地との境界が未確定になっている

 

このような状況は資産価値についてのリスクとなります。
 
関係者との交渉や売買の実行で、問題を解消しましょう。
 
 

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2. 賃料を生むか、生まないか(収益性)× 売れやすいか、売れにくいか(流動性) で保有/売却を判断

 

1.の対応をしたあとは、それぞれの不動産について収益性流動性が高いか低いかを見きわめます。
さらにもろもろの事情を考慮して、どの不動産を保有しどの不動産を売却するか、判断していきます。

 
2-1.賃料を生み、売れやすい(収益性・高 流動性・高)

高い賃料が取れて、売りやすい不動産。最も資産価値の高い不動産ですから、所有を続けましょう。

 

2-2.賃料を生み、売れにくい(収益性・高 流動性・低)

売ろうと思った時すぐに買い手は見つけにくいけれど、賃料はしっかり上がっている不動産。特別の事情がない場合は、所有継続を前向きに考えてかまいません。

 

2-3.賃料を生まず、売れやすい(収益性・低 流動性・高)

収益性には乏しいものの、売ろうと思えばすぐ売れる不動産。納税資金の確保が必要ならば、資金源として売却候補の第一順位としましょう。

 

2-4.賃料を生まず、売れにくい(収益性・低 流動性・低)

収益性が乏しく、さらに、なかなか売れない不動産。売却・買い替えなど、資産の組み替えを早めに実行すべきです。

 
 

3.「所有を続ける不動産」 と 「手放す不動産」の具体例

 

1.2.の手順を踏むことで「所有を続ける不動産」 と 「手放す不動産」が見えてきます。

 

例えば…

 

【所有を続けたほうがよい不動産】

都心部の不動産、地形がよく手頃な規模の土地 など

 

【手放してよい不動産】

借地権が設定されている土地(底地)、利用を制約するほど地形の悪い土地、山林 など

 

似た立地や利用であっても不動産は一つ一つが違うものですから、所有か売却かは、最終的にはケースバイケースの判断です。

 

さいごに

1112775不動産の個性を分析して、売却や有効活用を行えば、納税資金を確保し、価値ある不動産を次の世代に引き継ぐことができます。

 

今回ご紹介した、不動産の資産価値を正しく見きわめるための3つの視点を、検討にお役立ていただけましたら幸いです。

 

なお、ご自身での不動産分析にお困りの場合は、弊社不動産鑑定士がお手伝いをいたします。どうぞ、お気軽にお電話(03-3626-5160)下さい。

 

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