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相続不動産のご相談を多くいただいている不動産鑑定士・降矢等です。

親から相続し、きょうだいで共有している不動産について、きょうだい間で売買したいけれど、損得ない公平な価格がわからない…と先に進めなくなっていませんか?

 

 

「共有」とは、一つの不動産を複数の人が共同で所有している状態です。

予期せぬ相続があったときなど、とりあえず不動産は全てきょうだい共有で、と手続きすることがありますね。

しかし、共有不動産には、その利用や処分で、単独所有の不動産と比べると不便や問題が起きがちです。

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高齢者人口の増大にともなって、共有不動産のトラブルは増加傾向であり、きょうだい間売買による共有の解消はおすすめです。

インターネット不動産業者不動産鑑定会社、このいずれかのリソースを活用して、損得でもめることのないきょうだい間売買価格を決定しましょう。

価格に関する情報を知る3つの手段のメリット・デメリットを知ることで、あなたとごきょうだいにベストの方法を選ぶことができます。

きょうだい間売買の成功は、あなたとごきょうだいのご不便がなくなるだけでなく、お子さん世代の安心へつながります!

 

1.きょうだい間売買の価格決定でもっとも注意すべきこと

あらためて言うまでもないことかもしれませんが、”全員が納得できる価格”とすることです。

通常の不動産取引とは違い、きょうだいとの付き合いは売買の後もずっと続きます。

売る側、買う側に、安すぎるのかもしれない…、高すぎるのかもしれない…、との疑いがあるまま、100%納得せずに売買へと進んでしまうと、後々に親族トラブルの心配を残すことになってしまい、共有をなくし不安をなくすという目的を果たせません。
それでは、きょうだいの共有不動産価格を決める方法3つとそのメリット・デメリットををご案内します。

 

2.価格を決める方法①: インターネットなどで取得した情報から

インターネットで集めた情報などを参考に、価格を決定。

売買する不動産の固定資産税評価額※や相続税評価額※、近隣の地価公示地価調査※の情報や売り出し価格情報、不動産市況に影響するさまざまな要因の情報をできるだけ多く集めるようにします。

※の各用語についての説明は、弊社ホームページの「よくあるご質問 -不動産の価格についてのご質問」をご参照下さい。

<メリット>

・費用がかからない
・取引を外部に知られることがない

<デメリット>

・ある程度不動産に詳しくないと決定できない
・繁華街にある商業不動産や、複雑な不動産では、対応が難しい
・税務署などへ取引価格を説明する根拠として弱い

 

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3.価格を決める方法②: 不動産業者の査定額から

不動産業者の査定サービスの利用による査定額を参考に、価格を決定。

地元に強い中小、広いネットワークがある大手など、タイプの異なる複数の不動産仲介会社に査定を依頼します。

<メリット>

・費用がかからない

<デメリット>

・査定額に責任はなく、査定根拠が示されるか不明
・複雑な不動産では、対応が難しい
・税務署などへ取引価格を説明する根拠として弱い

 

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不動産鑑定士による鑑定評価、価格査定、意見書等が必要です。

 

4.価格を決める方法③: 不動産鑑定士の鑑定評価額から

不動産鑑定士の鑑定評価による鑑定評価額を参考に、価格を決定。

売買する不動産がある地域に強く実績豊富な不動産鑑定会社に鑑定評価を依頼します。

<メリット>

・鑑定評価額に責任をもち、根拠に基づく金額が示される
・複雑な不動産についても対応可能
・税務署などへ取引価格を説明する根拠として強い

<デメリット>

・費用がかかる。

 

【ご参考】
「料金一覧」(弊社HPより)

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不動産鑑定士の責任について

 

さいごに

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共有する不動産をきょうだい間売買するときの価格の決め方について、3つの方法をご紹介しました。

末永くご親族とよい関係でいられますよう、あなたにとってベストの方法をお選びください。

 

鑑定評価に基づいて売買価格を決定する方法をご検討の場合は、どうぞお気軽にお電話(03-3626-5160)を!

 

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◆◇あわせてお読みください『やさしくわかる!不動産鑑定ストーリー』◇◆

過去にご依頼いただいた案件を、お客さま(=依頼者)を主役にした物語仕立てでご紹介しています。

Eさんは、相続した共有土地を妹さんと等価交換し、土地の有効活用に成功なさいました!

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等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その7) ~交換特例で現金支出を少なく
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その8) ~交換特例の適用条件
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その9) ~江東・墨田・世田谷の将来予測
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その10) ~鑑定を依頼
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その11) ~鑑定終了
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その12) ~鑑定評価書納品
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その13) ~対象不動産の表示&基本的事項
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その14) ~鑑定評価の依頼目的
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その15) ~借地権について
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その16) ~売買マーケット分析
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その17) ~賃貸マーケット分析
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その18) ~行政的条件
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その19) ~鑑定評価手法の適用方針
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その20) ~権利割合法について
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その21) ~権利割合の把握
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その22) ~底地割合の把握
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その23) ~権利割合法による価格
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その24) ~収益還元法による価格
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その25) ~鑑定評価額の決定
等価交換で共有解消。Eさんのストーリー(その26) ~土地の有効活用へ