伊藤由美子です。

本のご紹介、2冊目です。
 

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バージニア・リー・バートン『ちいさいおうち』
 
この絵本は1942年にアメリカで出版されました。
コールデコット賞(アメリカで一年間に出版された絵本の中から、最も優れた作品に授与される賞)に輝き、世界中でロングセラーとなっています。
 
 
 
この本の主人公は「家」です。

乗り物が主人公の絵本はめずらしくありませんが、家が主役の絵本は珍しいと思います。

 
 
『ちいさいおうち』はこんなお話です。

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いなかにしっかり、じょうぶに、建てられたちいさいおうち。
まだ街はおうちからずっと離れたところにありました。
家を建てた人は言いました。
「どんなにたくさん おかねをくれるといわれても、この家を売ることはできないぞ。わたしたちのまごの、まごの、そのまたまごのときまで、この家はきっとりっぱに建っているだろう」
おうちは春夏秋冬の自然を感じて過ごしています。周りのいなか道を走っているのは馬車です。

 

ところが、あるときいなか道を車が走りはじめます。
そして、ちいさいおうちの前に、広い道路がつくられました。
家が建ち、お店ができ、車はますます増え…高い建物がちいさいおうちの周りを取り囲むようになりました。
いなかは街になりました。ちいさいおうちに住む人はいなくなりました。
電車が走るようになって、地下鉄も通り… 高層ビルの灯りが、月も星も見えなくしています。
ちいさいおうちは、街はいやだ、と思います。

 

そんなある日、女の人と子どもたちがちいさいおうちの前にやってきます。
女の人はちいさいおうちを建てた人の孫娘でした。
女の人は、ちいさいおうちの引越しを決め、建築屋さんに会います。
建築屋さんは「これはしっかりした家だ。これなら、どこへでももっていけます」と言って、ちいさいおうちを車に乗せて、引越しさせます。
自然の残るいなかへ移り、また人が住んでくれるようになって、ちいさいおうちは喜びました。

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岩波書店の翻訳絵本は、ほぼ全てがひらがな書きの文章で、幼児対象であることが明らかですが、こうしてストーリーをまとめてみると、大人こそ感じるところの多い本だと思います。

 
歴史的建築物や古民家については、日本でも移築が行われることがあります。

普通の住宅の場合は… 思い入れのあるお家でも、移築に踏み切るケースはほとんどないでしょう。
「まごの、まごの、そのまたまごのときまで…」との考えで家を建てる起点からして我彼の差があると思います。

 
家のあり方、街のあり方について、お子さんやお孫さんと一緒に考える機会を与えてくれる本として、『ちいさいおうち』をおすすめいたします(*^_^*)

 

 

 
三世代でのお越しも大歓迎いたします↓

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