代表鑑定士の降矢です。前回に続き、借家権についてです。

 
不動産について、所有権など売買の対象となる権利で、取引市場で価格がつく場合は、市場性や収益性からアプローチして価格を求めます。

しかし借家権は、原則として売買されず、取引市場はありません。

それゆえ借家権の価格を形成する要因は他の不動産の権利の場合とは異なります。

 
6cfa48cc65ca067d3edba11577f24e_s借家権の価値は、前回ブログにも書きましたが、賃貸人から建物の明渡し請求を受けた場合に認められます。

 

借家人が不本意な立退きを余儀なくされて事実上喪失する建物占有権をはじめ、借地借家法をはじめとする法令等によって保護されている借家人の社会的、経済的あるいは法的利益で形成されている、賃貸人が補償するべき借家人の喪失利益、というのが借家権です。

ですから、借家権については「補償の原理」が評価の観点となります。

 

喪失する借家権の適正な価値の把握には、客観性の高い「権利割合法」という手法を用いて価格を導出します。

この手順は以下のとおりです。

 
1.建物の建つ敷地の土地価格を求める。
2.建物価格を求める。
3.土地価格についての借地権(※1)割合を求める。
4.土地価格×借地権割合で、借地権価格を求める。
5.借地権価格についての借家権(※2)割合=α、建物価格についての借家権割合=β、を求める。
6.借地権価格×α+建物価格×β を求め、熟成度修正を行って、借家権価格を算定する。

 
※1 「借地権」とは、借地借家法に基づく建物の所有を目的とする地上権または賃借権のこと。
※2 「借家権」とは、借地借家法が適用される建物の賃借権のこと。

 
今回は少々専門的な内容となってしまいましたが、次回は借家権評価の具体的な事例を一つご紹介します。

 

 

 
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