FRAコンサルティング不動産鑑定士の池田です。

 

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段々夏を感じさせるような陽気となってきました。台湾でもマンゴーの美味しい季節に入ってきた頃です。

マンゴーといえば台南のマンゴーを特におススメします!台南市の「玉井」というところが有名です、チャンスがあれば是非とも訪れてみたい場所です。

(左写真は台南市のマンゴーかき氷が美味しい「裕成水果店」さんにて撮影。)

 

 
台湾11日本の方々は台北中心に観光される方がほとんどではないかなと思いますが、台南や高雄などの南部や台東などの東部の街は、台北とはまた違った良さを感じられるのではないかと思います。

 
右の写真は台南最大といわれ、とても活気を有する夜市である「花園夜市」の様子です。

 

 

 
さて、今回は台湾の「不動産市況」についてお伝えします。

 

台湾6直轄都市等における住宅価格推移を以下のグラフに示します(図1)。

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<図1 中華民國統計資訊網を参考に筆者作成>

少し見づらくて恐縮ですが、上記 図1 は各都市の2004年から2017年における新築住宅価格の推移を示したものです。

 

太い赤い線が全国平均の推移であり、それを大きく上回っているものが橙色の台北市、灰色の新北市となっております。台北市を中心とした北部エリアの人口増加を反映した形となっています。それに比べて南部の都市である台南市や高雄市は緩やかな上昇となっていることがわかります。

 

なお「中華民国106年」を西暦に言い換えますと2017年になります。これは中華民国が成立した西暦1912年を元年(民國紀元)とされていることが由来であり、西暦との差は1911年であります。ですので、民國紀元に1911年を足すとちょうど西暦となります。単に西暦の下二桁から「11年」引いてしまえば民國紀元になりますので、訪問された際にでも参考にしていただければと思います。

 

 

次に、住宅価格推移を指数化したものを以下の 図2 に示します。

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<図2 中華民國統計資訊網を参考に筆者作成>

中華民国100年(西暦2011年)のQ1を1.00とし、各都市の推移を見てみると、南部の台南市、中部の台中市、台湾の玄関である桃園国際空港が存する桃園市が1.5前後と大きく上昇しています。

 
一方で、住宅価格が台湾において最高水準にある台北市では数年前の勢いに陰りがみられ、直近3期で1.05~1.14と若干の上昇はみられるものの、ほぼ横ばいであることがわかります。
また新北市についても同様に、一時期の勢いがないことがわかります。

 

 

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ここで台北市について細かく見てみます。

ほぼ横ばい傾向に落ち着いてきたとはいえ、図1 の楕円の赤枠が示す通り、台北市は台湾において住宅価格が最高水準にあるエリアには間違いありません。

 
信義区等の人気エリアでは坪当たり300萬元を超すものもみられるようですし、中心部では坪当り100萬元超が普通のようです。日本円で換算しますと4倍弱ですので、かなりの水準にあることがわかります。

台湾の方々の所得は30年で3倍まで増加しているものの、台北市の住宅価格はこの10年程度で3倍近く上昇しており、所得の増加を大きく上回っています。

台北市の住居系のキャップレートですが、1%台後半から2%程度のようです。これは都内のキャップレートと比べても2%程度低いものです。

 

投資用物件として想定した場合、賃料がキャップレートのキーポイントとなります。
様々な要因により物件価格は高額ですが、前述のとおり所得の伸びは住宅価格ほどの上昇ペースにはありません。
よって一般的な賃借人の所得は高額賃料を負担可能な水準にはなく、少々抑えられた賃料を前提としたインカムを反映し、そのような低位のキャップレートになるのではないかと思われます。

 

これに対して日本では、東京のほかに主要な投資エリアとして大阪、名古屋、福岡、仙台、札幌があって不動産市場に規模があり、キャップレートはまだまだ台湾の物件に比べて高く、投資妙味を有するものと思います。

 
日本の良質な投資用物件について、台湾をはじめとした中華圏の投資家の方々にさらに興味を持っていただければ幸いです。そして、玉石混淆の物件の目利きとして、一助となれましたら幸甚です。

 

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台湾に烏山頭ダムを整備され、当時の台湾の農業水利事業に多大な貢献をされた日本人土木技術師である八田與一氏の写真を最後に掲載させていただき、今回のお話を終えたいと思います。

 
最後まで長文駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

 

 

 

(この項おわり)

 

 

 
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