離婚・財産分与
対象不動産の実地調査や役所調査に先立ち、入念な机上調査を行います。
【 行政情報、道路台帳、路線価図などの入手 】
対象不動産を、登記簿謄本や図面上で確定できたら、机上調査に入ります。
自席のパソコンに向かい、対象不動産に関する情報を集めます。
対象不動産がある東京都港区のみならず、多くの自治体が用途地域や、道路台帳についてインターネット上で公開をしていますが、これをチェックします。
実際に役所へ調査に出向く前に、まず前情報を収集しておくことで、役所で特に確認が必要な項目を整理することができます。
そして、相続税路線価の図面も国税庁のサイトから入手し、同時に、対象土地の付近にあって類似性がある地価公示地等を探します。
この地価公示地の価格は、鑑定評価で土地の価格を算定するときに、指標となります。
<次回に続く>
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面談翌日、評価作業開始です。
【 不動産を確定する法務局資料の入手 】
納期までは10日ほど頂きましたが、できるだけ早く評価額をお伝えできるよう、作業計画を考え、動き始めます。
まずは、評価に必要な資料収集です。
面談時に、Fさんから頂いた資料は、マンションの新築分譲時パンフレットのコピーのみ。
固定資産税・都市計画税の課税明細書だけ、追加でお送り下さるようFさんにお願いし、他の資料はこちらで代行取得します。
登記簿謄本などの入手に必要な、対象物件の地番や家屋番号はまだ不明。
課税明細書が届けば、そちらを見て地番等わかりますが…すぐに評価をスタートするため、私は法務局へ向かいました。
ブルーマップの確認や、Fさんのお部屋番号からの推測で、無事、土地・建物登記簿、公図、建物図面、の法務局備付資料を入手することができました。
住宅地図や都市地図は、会社に揃っていますので、そちらを使います。
これで、評価対象不動産を確定するために、最低限必要な資料が揃いました。
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オフィスビル内カフェにて、Fさんにお目にかかりました。
【 ご夫妻へのヒアリング 】
お約束の時間の5分前に、待ち合わせのカフェに着きましたが、Fさんはもう先にいらっしゃっていました。
30代のFさんは、ご結婚6年目。
Fさんは金融機関勤務、3歳年下の奥様はIT系ベンチャー企業で役員を務める、いわゆるDinksのご夫婦です。
4年前に港区内に自宅マンション(15階建の14階にあるお部屋・壁芯面積55㎡で2LDKの区分所有建物)を9,200万円で購入なさいましたが、それぞれに多忙な生活でご夫婦はすれ違いが続き、奥様は1年前にマンションを出られて、以後別居されています。
この夏の休暇時に話し合いの機会を持たれ、離婚することで合意なさったそうです。
お二人ともに弁護士のご友人がいて、アドバイスを受けながら諸々の整理を進めていく中で、自宅マンションの価値についてだけご夫婦の見方が分かれました。
そこで、マンションの時価については不動産鑑定士の公正な判断によることに。
同じ大学のご出身で、共通の友人・知人が多いお二人は、離婚に際して互いにわだかまりを残さないことを、一番に考えているとのことです。
評価書面の形式については、最も正式な「不動産鑑定評価書」で、とのご希望でした。
面談終了の少し前には、奥様もカフェにいらっしゃり、ご挨拶ができました。
お二人が新しい道へとスムーズに進まれるお手伝いができるよう、誠心誠意を尽くす評価を…と身が引き締まる思いで、私は大手町を後にしました。
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Fさんの案件は、FRAコンサルティングの女性鑑定士が担当することになりました。
【 Fさんへのお返事 】
Fさんの担当となった私は、以下のようにご返信しました。
ご面談にて詳しいお話を伺わせて頂ければと存じます。
(初回ご相談は1時間まで無料です。)
弊社にお越しになれる日時のご希望をいくつか挙げて頂けましたら幸いです。
宜しくお願い申し上げます。
すると、ものの数分のうちに、Fさんから「仕事が多忙なので、できれば勤務先近くでの面談はできないだろうか」との連絡が。
Fさんの勤務地は、大手町とのことです。
2日後の夕方、Fさんご指定の大手町のカフェにて、お会いすることになりました。
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不動産鑑定士・伊藤由美子です。
今回のブログシリーズでは、財産分与のためのマンションの時価評価について、Fさんのストーリーを用いてお届けいたします。
(このストーリーは、弊社の女性鑑定士が担当した実例を、個人情報に配慮し改変しております。)
【 Fさんからの問い合わせ 】
秋の始まりがわずかに感じられるようになってきた9月初旬、一通のメールによるお問い合わせがFRAコンサルティングに届きました。
ホームページを見て、問い合わせいたします。
自宅マンション(港区)の価値評価を依頼したく、面談をお願いします。
夫婦で所有する物件ですが、離婚の話合い中です。
よろしくお願いします。
<次回に続く>
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不動産鑑定士の伊藤です。
ご結婚されている皆さまに伺います。
結婚生活の中で、「離婚」の文字が頭をよぎった経験がおありではないですか?
昭和の時代とは違い、離婚はもはや珍しくなく、また前向きに捉えられるケースも増えてきていますね。
(ちなみに、私の祖母は昭和元年生まれですが、離婚経験者でした。)
財産分与とは、
「夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を、離婚する際または離婚後に分けること」
です。
この”婚姻中の取得財産”に、マイホームや投資用物件といった不動産が含まれる場合、その不動産の適正価値(=時価)を把握して、財産分与を行わなければなりません。
FRAコンサルティングでは、この財産分与のための不動産時価評価のご依頼を長年お受けしています。
財産分与を背景とするご依頼は、話がこじれて裁判になってしまったから裁判資料として鑑定評価書を…というケースが以前は主流でした。
しかし近年は、協議離婚の場合でも、確実な不動産鑑定士の評価を初めから得てスムーズな財産分与としよう、と合理的にお考えになる方が増えていると感じます。
不動産会社さんの査定(価格に責任をもってもらえないためトラブルを招く懸念あり)や、固定資産税評価額(時価より安い場合が多く不公平となる)に基づく財産分与では、先々に禍根・リスクが残ってしまうことが意識されるようになってきたからです。
このような傾向にあって、ご自身の主張の裏付けとするための評価ご依頼だけではなく、お互い無用に神経をすり減らすことは避けたい…と、ご夫婦共同で鑑定会社をインターネットで検索なさり、公正な第三者として弊社を選ばれご依頼下さる場合が増加しています。
あらゆるケースにおいて、私どもは不動産の状況と依頼者のお気持ちを十分に伺って、説得力の高い評価書面をお出しいたします。
次回より、財産分与に関係する評価事例を、不動産鑑定ストーリーシリーズで具体的にご紹介してまいります。
お客様の不動産への思いを、根拠と数字でサポートいたします↓
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